2021年6月2日水曜日

第2667話 ごぶさたしました「アロマ」さん

この日は浅草のパトロール。

谷中よみせ通りから台東区のコミュニティバス、

東西めぐりんに乗って来た。

禁酒を伴う緊事宣の発令後、初めての浅草だ。

 

もともとオノボリさんやインバウンドが

足を踏み入れない観音裏(奥浅草)を徘徊する。

さみしいねェ、人が歩いてないヨ。

言問通りを渡り、馬道を南下した。

 

「弁天山美家古」も「神谷バー」も

宣言が解かれるまで休業を決め込んでいる。

仲見世・新仲見世は普段の4分の1程度の人出。

閉じてる店の方が圧倒的に多い。

これじゃ商売にならんわなァ。

 

さまよい続けたものの、酒を出す店は1軒としてない。

とりあえず何か軽く食べよう。

六区の入口に突っ立って思案投げ首。

いつの頃からか浅草のメインストリートが

六区ブロードウェイと呼ばれるようになったが

J.C.はこの呼称が嫌いだ、中野北口じゃあるまいし・・・。

 

思い浮かんだのは「珈琲アロマ」。

つい、この間まで喫茶店には無縁だったのに

昔から何度もお世話になった唯一の店である。

長いことごぶさたしており、帰宅後に調べたら7年ぶり。

 

店主もずいぶんお歳を召されたものと思いきや、

マスクのおかげもあってか、さほどお変わりはナシ。

いつまでも続けてほしい佳店だけに歓ばしい。

7年も放っといて何を今さら、ってか?

そりゃ、そうですネ。

 

汗ばむ陽気の中を歩いたからコーヒーより冷たいモノがほしい。

オレンジ・アンズ・いちご・バナナが揃う、

生ジュース(各400円)からアンズを択んだ。

 

そして此処にしかないオニオンサンド(280円)を―。

オニオン&ピクルスのスライスを

辛子バターのトーストにはさむだけでかなりの美味しさ。

ポーション小さめも軽くつまむに打ってつけ。

来れば頼むの、ハヴ・トゥー・アイテムである。

 

アイスピックで氷をぶっかく音が聞こえてきた。

遠くてよく見えなかったがアンズは生ではなさそうだ。

イタリア食材のセミドライ・トマトみたいなヤツかな?

 

供される際、店主のひと言。

「ストローなしでこのままどうぞ」

この方は実に洗練されている。

喫茶店のマスターの鑑と言い切ってよい。

甘酸っぱいアンズのジュースを味わいながら

次回は苺にしてみよう・・・そう思うことでした。

 

「珈琲アロマ」

 東京都台東区浅草1-24-5

 03-3841-9002