この日は浅草のパトロール。
谷中よみせ通りから台東区のコミュニティバス、
東西めぐりんに乗って来た。
禁酒を伴う緊事宣の発令後、初めての浅草だ。
もともとオノボリさんやインバウンドが
足を踏み入れない観音裏(奥浅草)を徘徊する。
さみしいねェ、人が歩いてないヨ。
言問通りを渡り、馬道を南下した。
「弁天山美家古」も「神谷バー」も
宣言が解かれるまで休業を決め込んでいる。
仲見世・新仲見世は普段の4分の1程度の人出。
閉じてる店の方が圧倒的に多い。
これじゃ商売にならんわなァ。
さまよい続けたものの、酒を出す店は1軒としてない。
とりあえず何か軽く食べよう。
六区の入口に突っ立って思案投げ首。
いつの頃からか浅草のメインストリートが
六区ブロードウェイと呼ばれるようになったが
J.C.はこの呼称が嫌いだ、中野北口じゃあるまいし・・・。
思い浮かんだのは「珈琲アロマ」。
つい、この間まで喫茶店には無縁だったのに
昔から何度もお世話になった唯一の店である。
長いことごぶさたしており、帰宅後に調べたら7年ぶり。
店主もずいぶんお歳を召されたものと思いきや、
マスクのおかげもあってか、さほどお変わりはナシ。
いつまでも続けてほしい佳店だけに歓ばしい。
7年も放っといて何を今さら、ってか?
そりゃ、そうですネ。
汗ばむ陽気の中を歩いたからコーヒーより冷たいモノがほしい。
オレンジ・アンズ・いちご・バナナが揃う、
生ジュース(各400円)からアンズを択んだ。
そして此処にしかないオニオンサンド(280円)を―。
オニオン&ピクルスのスライスを
辛子バターのトーストにはさむだけでかなりの美味しさ。
ポーション小さめも軽くつまむに打ってつけ。
来れば頼むの、ハヴ・トゥー・アイテムである。
アイスピックで氷をぶっかく音が聞こえてきた。
遠くてよく見えなかったがアンズは生ではなさそうだ。
イタリア食材のセミドライ・トマトみたいなヤツかな?
供される際、店主のひと言。
「ストローなしでこのままどうぞ」
この方は実に洗練されている。
喫茶店のマスターの鑑と言い切ってよい。
甘酸っぱいアンズのジュースを味わいながら
次回は苺にしてみよう・・・そう思うことでした。
「珈琲アロマ」
東京都台東区浅草1-24-5
03-3841-9002