♪ 工事終わればそれっきり
お払い箱のおれ達さ
いいさ いいさ山谷の立ちん坊
世間うらんで何になる ♪
岡林信康のデビュー曲「山谷ブルース」は
1968年9月のリリース。
B面の「友よ」とダブルヒットとなったが
数ヶ月前に発売(この際はB面の予定)のハズだった。
ここでは詳しくふれないけれど
カップリング曲「くそくらえ節」の歌詞に問題があり、
発売禁止の憂き目をみている。
この日、山谷ならぬ、上野の立ちん坊は
岡林ならぬ、オカザワであった。
禁が解け、浅草に出撃した2日後のことだ。。
エンコに出向いてノガミをスルーでは明らかに片手落ち。
行かねばならぬ、行かねばならんのだ~っ!
酒で身を持ち崩した幕末の剣客、平手造酒の心境でござった。
浅草とは様変わりの上野、アメ横は大盛況である。
緊事宣下に自粛していた「大統領」、「文楽」、
「浜ちゃん」がとりわけ混み合っていた。
最初に飛び込んだのは立ち飲み天国「たきおか」。
スス~ッとカウンターの奥に進み、ドライの大瓶を発注する。
つまみはレバをタレで2本(220円)、小ぶりな串は好みだ。
ほどなく大瓶は空瓶となり、菊正の樽酒に切り替える。
シロの追加は残念ながら売切れ。
それではと、そのシロの煮込み(160円)を通す。
先刻、仕込みをしていたニイさんが
サイコロ状に切った豆腐をザバーッとブチ込んだ煮込み鍋。
まだちょいと早いかな? とも思ったが豆腐は奴でも食える。
いずれにしろ「たきおか」の煮込みはオススメだ。
店内の喫煙率が非常に高く、嫌煙家は要注意。
ビニールシートで仕切られていても両隣りが喫煙者だった。
右手はセブンスター、左はパッケージの青色の濃度から
メビウス(旧マイルドセブン)の8mgに相違ない。
二人ともチェーン・スモーカーではないが、よく喫うネ。
2軒目に移動する。
アメ横のガードに沿い、御徒町方面へ。
何度か利用した「蔵どり」の隣りにいつの間にか
「もつ焼き でん」がオープンしてるじゃないか―。
水道橋を拠点として中目黒や蒲田など、
都内に10軒ほど展開する人気店である。
ホッピーでも飲もうかな?
思わずフラフラッと敷居をまたいだ、
上野の立ちん坊でありました。
=づづく=
「立ち飲み たきおか」
東京都台東区上野6-9-14
03-3833-2777