2021年6月25日金曜日

第2684話 いいさ いいさ上野の立ちん坊 (その1)

♪   工事終わればそれっきり

  お払い箱のおれ達さ

  いいさ いいさ山谷の立ちん坊

  世間うらんで何になる   ♪

 

岡林信康のデビュー曲「山谷ブルース」は

1968年9月のリリース。

B面の「友よ」とダブルヒットとなったが

数ヶ月前に発売(この際はB面の予定)のハズだった。

ここでは詳しくふれないけれど

カップリング曲「くそくらえ節」の歌詞に問題があり、

発売禁止の憂き目をみている。

 

この日、山谷ならぬ、上野の立ちん坊は

岡林ならぬ、オカザワであった。

禁が解け、浅草に出撃した2日後のことだ。。

エンコに出向いてノガミをスルーでは明らかに片手落ち。

行かねばならぬ、行かねばならんのだ~っ!

酒で身を持ち崩した幕末の剣客、平手造酒の心境でござった。

 

浅草とは様変わりの上野、アメ横は大盛況である。

緊事宣下に自粛していた「大統領」、「文楽」、

「浜ちゃん」がとりわけ混み合っていた。

 

最初に飛び込んだのは立ち飲み天国「たきおか」。

スス~ッとカウンターの奥に進み、ドライの大瓶を発注する。

つまみはレバをタレで2本(220円)、小ぶりな串は好みだ。

 

ほどなく大瓶は空瓶となり、菊正の樽酒に切り替える。

シロの追加は残念ながら売切れ。

それではと、そのシロの煮込み(160円)を通す。

先刻、仕込みをしていたニイさんが

サイコロ状に切った豆腐をザバーッとブチ込んだ煮込み鍋。

まだちょいと早いかな? とも思ったが豆腐は奴でも食える。

いずれにしろ「たきおか」の煮込みはオススメだ。

 

店内の喫煙率が非常に高く、嫌煙家は要注意。

ビニールシートで仕切られていても両隣りが喫煙者だった。

右手はセブンスター、左はパッケージの青色の濃度から

メビウス(旧マイルドセブン)の8mgに相違ない。

二人ともチェーン・スモーカーではないが、よく喫うネ。

 

2軒目に移動する。

アメ横のガードに沿い、御徒町方面へ。

何度か利用した「蔵どり」の隣りにいつの間にか

「もつ焼き でん」がオープンしてるじゃないか―。

 

水道橋を拠点として中目黒や蒲田など、

都内に10軒ほど展開する人気店である。

ホッピーでも飲もうかな?

思わずフラフラッと敷居をまたいだ、

上野の立ちん坊でありました。

 

=づづく=

 

「立ち飲み たきおか」

 東京都台東区上野6-9-14

 03-3833-2777