日本橋茅場町の「やき鳥
宮川」。
やきとり丼と一緒にお替わりのスープが供される。
これは手厚いサービスといえよう。
焼き鳥はレバと砂肝が5ピース・イーチでねぎまも
もも・ねぎ・もも・ねぎ・ももと実質5ピース。
もみ海苔があしらわれている。
薄味のゆるいタレが多すぎて、しょっぱくはないが
ごはんがビショビショ、牛丼のつゆだく並みだ。
大のつゆだく嫌いにコレはツラい。
オマケに肝心の鶏肉がちっとも旨くない。
こぞってフライドチキンに走る理由がここにもある。
近いうちに出直そうかな?
から揚げは嫌いじゃないが好んで食べる習慣もない。
その日の風まかせにしとこう。
いずれにしろ店主は直ちに
{やき鳥
宮川}の看板を外し、
「から揚げ
宮川」にすげ替えるべし。
不満を引きずりながら足取り重く歩いた。
兜町の証券取引所を尻目に江戸橋で日本橋川を渡河。
小伝馬町から須田町と来て、万世橋で神田川を渡る。
このまま真っ直ぐ帰ればよいものを上野広小路。
ここまで来たらいつもの店が待っている。
以下省略となるところ、今話はそうもいかなかった。
「ほていちゃん
上野4号店」の2階に上がると
季節限定の生すだちサワーの貼り紙。
大瓶のあとに切り替えて発注した。
ジョッキにすだちがいっぱいだ。
左手に持つマドラーで氷の下から引きずり出し、
右手の親指・人差し指・中指でギュッと搾る。
この動作を12回繰り返した。
脇に拡げたお手拭きの上に並べたら
1/6カットのすだちが12個。
丸々2個投入されていたわけだ。
いや、美味いねェ、さわやかだねェ。
とうとう歩き通してわれ棲む町にカムバック。
茅場町から1万4千歩を要した。
雑誌を買うため、近所のコンビニに立ち寄ると
知り合いのオバさんにバッタリ。
歩み寄って来たオバさんが耳元でささやいた。
「こないだ教わった鳥屋さん、さっき行って来た」
「ああ『鳥安』ネ、うなぎ食べたの?」
「ううん、鳥屋さんなので鳥にしてみた、から揚げ」
「エッ、から揚げ!」―
ここでもから揚げかい、何か付きまとわれてるな。
「で、旨かったの?」
「うん、とっても、アレはスゴいわ」―
そう言いながら、右手の親指と人差し指で
小さなマルを描いてみせられ、
疲れがドッと出たJ.C.でした。
ハァ~、やれやれ。
「やき鳥
宮川」
東京都中央区日本橋茅場町3-5-1
03-3668-7080
「ほていちゃん 上野4号店」
東京都台東区上野6-13-2渡辺上野ビル2F
03-6284-4130