「こりゃあ、ヒドいぜ山チャン!」
とてもじゃないが飲めないヨ」
「あら、そうですか?
女性には人気なんですけど・・・」
「女はワインの味、判んないからな」
隣りのA子・その2には
聴こえぬようにつぶやいたつもりが
聴こえちゃったらしい。
心なしか眉が吊り上がった。
ごめんね、ごめんねー。
2本目はスペインの赤、エル・チルコ。
セパージュはガルナッチャ(グルナッシュ)。
断然、こっちだネ。
遅いブランチが消化しきれず、
料理にはフォークを付けなかったが
一同は鶏レバームース、マカロニグラタン、
ミートドリアなどを平らげていった。
この日は開店と同時の16 時スタート。
職場が京橋のW・A子は
午後の半ドン(こんなんあるんか?)で
仕事を切り上げて来たらしい。
19時前に二人はそれぞれ、
調布と川口に帰って行った。
オッサン二人はそうもいかない。
錦糸町では名の知れた酒場「三四郎」へ流れた。
赤星のグラスを合わせる。
今日はサッポロの日だ。
注文をN田に任せ、トイレに立つ。
運ばれたのはまぐろ刺し。
これは中トロ、良質で旨し。
豆腐の入ったもつ煮込みに
炭火の焼きとんは4本来たので2本づつ。
当方の取り分はハツとシロ。
甘辛いタレが場末感に呼応してよろしい。
燗酒に切り替えていた相方のお流れ頂戴。
熱燗がちょいと冷めて上燗になり、いい塩梅。
銘柄は忘れたが、いや、
ハナから確かめちゃいなかった。
二合徳利をお替わりし、
ともに好い心持ちになって夜の街に出た。
「今度は梅雨入り前あたりか?」
「そうだな」
握手を交わして
「それじゃ、また!」
「vivo daily stand 錦糸町店」
東京都墨田区江東橋4-21-6
03-6240-2101
「三四郎」
東京都墨田区江東橋3-5-4
03-3633-0346