権之助坂「一輪」。
ビールが半分になったところで辛麺が着卓。
おう、おう、赤いねエ、真っ赤だヨ。
表面にフワフワ浮いてる黄色いのは溶き玉子。
合い挽きと思われる挽き肉が絡み、
翠の野菜はニラである。
一匙口元に運んだ。
いや、いや、辛いけれども滋味にあふれている。
普段は昭和の中華そばを愛してやまないが
たまにはこんな赤いのもいいもんだ。
砕かれた鷹の爪が散っていた。
おおっと、厨房からフランクの歌声が流れ出た。
♪ 真っ赤なドレスがよく似合う
あの娘想うてむせぶのか
ナイト・クラブの青い灯に
甘くやさしいサキソホン
ああ ああ 東京の
夜の名残りの午前三時よ ♪
(作詞:佐伯孝夫)
「東京午前三時」は昭和32年のリリース。
J.C.一家が東京に出て来た年である。
それはともかく真っ赤なスープが
細打ち麺にもライスにもよくなじむ。
底のほうから塊のニンニクが3個も出てきた。
ちょいと引いたがエ~イ、いてまえ!
飲み干そうか迷いつつ、スープを見つめていると
今度は荒木一郎が歌い出す。
♪ 真赤なドレスを君に
作ってあげたい君に
愛しているんだよ 素敵な君だけを ♪
「いとしのマックス」(昭和42年)
そうしたら三橋美智也も馳せ参じ、
♪ まっかな太陽 燃えている
果てない南の 大空に ♪
「快傑ハリマオ」(昭和35年)
三橋とくればやはり美空だろう。
ひばりも負けじとさえずる、さえずる。
。
♪ 真っ赤に燃えた 太陽だから
真夏の海は 恋の季節なの ♪
「真っ赤な太陽」(昭和42年)
てなこって今話は
オヨネーズの「麦畑」(平成元年)よろしく、
♪ 真赤っ赤に そめられて ♪
しまったのでありました。
この乱発にゃ浪花の小姑、
顔を真っ赤にして怒るだろうな。
「辛麺屋 一輪 目黒店」
東京都目黒区目黒1-4-8
03-6420-0661