2023年4月19日水曜日

第3256話 予期せぬ巣鴨のワンコイン (その1)

棲んでるマンションに補修工事があって
べつに追い出されたワケじゃないが
自主的に退去した。
時刻は9時半過ぎ、どこサ、行くべェか。

そうだ、数年ぶりに
喫茶店のモーニングをいってみよう。
普段、めったに喫茶店を利用しないJ.C.、
思い浮かんだのは日暮里「友路有」、
上野「王城」、浅草「ブロンディー」の3軒だ。

ここで突如ひらめいたのが
昨年末に出逢った巣鴨のレトロ喫茶「ポピー」。
あすこにはドライの小瓶もあるし、
家の前からバスに乗った。

ところが店にはシャッターが降りていた。
帰宅後、チェックしたら定休日でやんの。
モーニングなんてやりつけないことやるから
バチが当たるんだ。
こんな時間に行く先を失い、what can I do?

途方に暮れて裏道に入ると、
1軒の洋食店に白い暖簾がはためいていた。
かつて何度か利用した「フクノヤ」である。
店先に
本日 10時半開店
日替わりランチ 
メンチカツ・カニコロッケ・目玉焼き
ライス・味噌汁付き ¥500

時刻は10時35分で先客が2名も居た。
捨てる神あらば拾う神あり。
九死に一生を得た心持ちなり。

格安のワンコインランチをお願いし、
ビールをと思ったものの、
当店はキリンラガーしかないのを
知っているため、ためらう。

すると壁に 麒麟淡麗生 250 の文字。
ラガーよりマシやろと発注した。
ところが店主が冷蔵庫から出してきたのは
サントリー金麦春の味  
「コレになっちゃうんですがよろしいですか?」
「ああ、いいですヨ」

メンチもカニコロも小ぶりながら立派なもんだ。
千キャベに加え、ケチャスパとマカサラも付いている。
余りの安さに気を取られ、
量の半減を言い忘れたライスは皿にこんもり。
味噌汁はキャベツのかき玉だった。

パラパラと入店して来る客はほとんどが日替わり。
飲みものは付かないものの、
喫茶店のモーニング並みの値段だものネ。

とにかく一番高いのがビフテキの1000円。
ナポリタンとミートソースのスパゲッティは
ともに500円で並盛・中盛・大盛すべて同値。
朝から繁盛するわけだ。

=つづく=