JR山手線を秋葉原でJR総武線に乗り換え、
小岩にやって来た。
ほうら、さっそく藤圭子が歌い出す。
♪ 飲めば飲むほど うれしくて
しらずしらずに はしご酒
恋は小岩と へたなしゃれ
酒の肴に ほすグラス
よってらっしゃい
よってらっしゃい お兄さん ♪
(作詞:はぞのなな)
東京の下町を歌い継いでゆく「はしご酒」は
1975年11月のリリース。
彼女のナンバーで最も好きな1曲である。
てなわけで小岩に来は来たが
まだ13時、はしご酒には早すぎる。
晩酌ではなく、昼めしに現れたのだ。
下調べして狙いを定めたのは
タイ料理の「いなかむら」。
何とものんきな店名だが旨いらしい。
グリーンカレーが目当てながら
店頭のメニューボードにそれがない。
よくよく見るとゲーンキョウワン(グリーンカレー)。
ふ~ん、そう言うのか、何度か暗唱して覚えた。
「イラッサイマセ~!」ータイの陽気なオバちゃんに
「ゲーンキョウワン、お願いネ」
「ゲーンキョウワン! アハハ、コップン・カー!」
最後の一言はタイ語で、どうもありがとう。
これは女性言葉で
男の場合はコップン・クラップとなる。
「お客さん、よく知ってるネ、タイに棲んでたの?」
「そうじゃないヨ、外の看板で練習したんだ」
「アハハハ、コップン・カー!」
どこまでも陽気だ。
立ち上がってビールの冷蔵ケースを見にゆく。
タイビールが並ぶ中、ドライ中瓶があり、発注。
ゲーンキョウワンは鶏もも肉・竹の子・茄子が主体。
竹の子が柔らかい姫竹で、まいう~。
なぜか赤ウインナーの入った春雨サラダと
野菜が浮かぶ塩味スープ。
タピオカの代わりに餅みたいな粘っこいのが入った、
ココナッツミルクのデザート。
みなそれなりに好いが
主役のグリーンカレーとジャスミンライスが一番。
満足して金1800円也を支払い、
「美味しかったヨ、ごちそうさま」
「コップン・カー!」
そればっかりやん、タイのオバちゃん。
「いなかむら」
東京都江戸川区南小岩7-26-21
050-5456-9362