2023年5月5日金曜日

第3268話 恋は小岩 カレーも小岩

JR山手線を秋葉原でJR総武線に乗り換え、
小岩にやって来た。
ほうら、さっそく藤圭子が歌い出す。

♪   飲めば飲むほど うれしくて
  しらずしらずに はしご酒
  恋は小岩と へたなしゃれ
  酒の肴に ほすグラス
  よってらっしゃい 
  よってらっしゃい お兄さん ♪ 
   (作詞:はぞのなな) 

東京の下町を歌い継いでゆく「はしご酒」は
1975年11月のリリース。
彼女のナンバーで最も好きな1曲である。

てなわけで小岩に来は来たが
まだ13時、はしご酒には早すぎる。
晩酌ではなく、昼めしに現れたのだ。
下調べして狙いを定めたのは
タイ料理の「いなかむら」。
何とものんきな店名だが旨いらしい。

グリーンカレーが目当てながら
店頭のメニューボードにそれがない。
よくよく見るとゲーンキョウワン(グリーンカレー)。
ふ~ん、そう言うのか、何度か暗唱して覚えた。

「イラッサイマセ~!」ータイの陽気なオバちゃんに
「ゲーンキョウワン、お願いネ」
「ゲーンキョウワン! アハハ、コップン・カー!」
最後の一言はタイ語で、どうもありがとう。
これは女性言葉で
男の場合はコップン・クラップとなる。

「お客さん、よく知ってるネ、タイに棲んでたの?」
「そうじゃないヨ、外の看板で練習したんだ」
「アハハハ、コップン・カー!」
どこまでも陽気だ。

立ち上がってビールの冷蔵ケースを見にゆく。
タイビールが並ぶ中、ドライ中瓶があり、発注。
ゲーンキョウワンは鶏もも肉・竹の子・茄子が主体。
竹の子が柔らかい姫竹で、まいう~。

なぜか赤ウインナーの入った春雨サラダと
野菜が浮かぶ塩味スープ。
タピオカの代わりに餅みたいな粘っこいのが入った、
ココナッツミルクのデザート。

みなそれなりに好いが
主役のグリーンカレーとジャスミンライスが一番。
満足して金1800円也を支払い、
「美味しかったヨ、ごちそうさま」
「コップン・カー!」
そればっかりやん、タイのオバちゃん。

「いなかむら」
 東京都江戸川区南小岩7-26-21
 050-5456-9362