2023年5月26日金曜日

第3283話 カニを蒸したんだガニ (その1)

アメ横で立飲んだ後、
御徒町駅前の「吉池」で晩酌用つまみを調達。
まずは小海老とヒイカをイン・マイ・バスケット。
シーフード・サラダと
五目かた焼きそばのあんかけ、一石二鳥を目論む。。

ん? 居酒屋の大将かな?
何かまとめ買いしているゾ。
そばに寄ってみたら背子蟹(香箱蟹)、
いわゆるずわい蟹のメスだった。
一緒に数えたら6匹もー。

値札を見てビックラこいた。
何と1尾200円と来たもんだ。
店前の小僧、習わぬ蟹を買う。
つい、3匹買っちゃった。

腹のフタをめくり、塩をしのばせて蒸す。
蟹は茹でちゃいけない、蒸さねばならぬ。
茹でると旨味が湯に流れ出ちゃうんだ。
蒸し器なんてないってか?

そこは簡単。
適当なサイズの鍋に2~3センチほど水を張り、
小皿を逆さにして敷いてやる。
その上に腹を上にして皿盛りした、
蟹を乗せ、中火で蒸し上げる。

時間は背子なら7~8分。 
良型の毛蟹で15分といったところか。
蒸し上がったら鍋ブタを外し、冷まして取り出す。
このとき皿に溜まったエキスをこぼしてはならじ。
高級割烹、一流中国料理店も真っ青、
極上のスープとなるのだ。

小さいから身肉は
上手に食べられないが内子はビッシリ。
コイツをしゃぶりつくす。 
かにシャブは高くつくけれど
かにシャブリなら家計は傷まない。

むさぼったあとの残骸も捨ててはならじ。
もう一度煮立ててスープ(その2)にする。
日本そば屋で言うところの二番出汁。
これもまた美味いんだが
一晩に二度のスープは飲み過ぎというより、
もったいないから(その2)は翌朝、
あるいは明晩に回すのが賢明である。

満足したつもりながら
堪能まではいかなかったんだネ。
その二日後のことだった。
以下、次話であります。

=つづく=