12時ちょい前「松月」に入店すると
20席がほぼ満席、3人組と相席になる。
11時半の開店で12時にこれだもんな。
人気店であることが伝わってくる。
「お時間かかりますがよろしいですか?」
「ああ、いいですヨ」
ドライの大瓶を通すと
ビールとお通しはすぐに出て来た。
なめたけと細切りごぼうの和えものだ。
あんまりうれしくないな。
注文はすでに決めてある鴨つけそば。
お願いして壁に目をやると
貼り紙に目ン玉を射抜かれた:
”只今 合鴨ハツ 入荷中”
当店は合鴨もそのハツもすべて国産を使用。
これを見逃してはJ.C.オカザワの沽券にかかわる。
おそらく合鴨の脂で焼いてくるのだろう。
あひ焼きならぬ、あひハツ焼きに違いない、
売り切れて札が裏返されるのを怖れ、
間髪入れずに発注した。
チキンのそれより大きめのが7つも来た。
脇には白い部分だけの焼きねぎと
サニーレタスにスライスレモン。
そしておそらく自家製のマヨネーズ。
いや、美味いのなんのっ。
今度はあひハツに舌を撃ち抜かれた。
もともと焼き鳥でもハツは背肝と並ぶ好物。
そのくせ焼きとんのハツは好んで食べない。
ほとんどの客は帰ってゆき、
ようやく鴨つけそばが運ばれた。
注文から35分が経過している。
そばは3つのチョボに分かれていた。
池之端の行きつけの2倍はゆうにある。
別皿で来た3枚のロースの薄紅色が美しい、
よく見かける中国産とはシットリ感がまったく違う。
これには柚子胡椒が添えられた。
つゆには鴨つくね3個と
もも肉の切れ端に南蛮ねぎ。
「松月」は”3”という数字が好きなようだ。
店主が長嶋ファンなのかな?
薬味はさらしねぎのみ。
そば湯を飲み干してお勘定は2千5百円ほど。
女将さんに定休日をうかがうと
月・火・水との答えが返ってきた。
「もうかってるんですネ」
「いいえ、仕込みがけっこう大変で」
「真っ当なモノが出て来ますもんネ」
「ありがとうございます」
満腹につき、五反野の酒場をあきらめ、
今日は青ざめずに青井駅に到着。
おとなしく帰宅の途に着きましたとサ。
「松月」
東京都足立区弘道2-24-20
03-3889-6641