2023年9月19日火曜日

第3365話 新橋で馬刺しと芋煮と梵天丸 (その2)

中野新橋の「こあら」。
生の馬刺しが運ばれた。
ロースとももの盛合わせ。
そのハーフ・ポーションである。

色鮮やかな赤身に
箸を持つ手が震えています、震えています。
脇に添えられたおろし生姜と
にんにくスライスが出色。
殊ににんにくは素晴らしく青森産と思われた。

いや、たまらなく”馬”いねェ。
本当に生は冷凍物とは別モノだった。
会津の馬刺しは美味なれど、
山形もまったく負けていない。
目の前の店長に訊いたらば
にんにくも山形産で真室川のほうで獲れる由。

カールスバーグは早くも3杯目。
山形といえば芋煮だ、
「こあら」の芋煮はうれしい三段構え。
お椀・小鉢・鍋が揃うから
単身もグループも楽しめる。

お椀をもらい、米沢の純米酒、
冽の冷たぃのと合わせていただく。
J.C.は半世紀も前から
米沢という土地に深くかかわってきた。
何だか米沢に帰った気分がしたものだ。

品書きに梵天丸の浅漬けを見つけた。
山形産の小さな丸茄子である。
夏場の胡瓜と茄子の浅いぬか漬けは大好物だが
茄子の種類は多種多彩なのに
なぜ胡瓜は種類が少ないのだろう。
そのぶん仲間の瓜がいろいろあるから
バランスは取れている。

梵天丸が6粒、小皿に乗って登場。
てっきりぶどうの巨峰かと
思ったほど見た目が似ている。
すかさず練り辛子をリクエスト。
目の前の店長が深くうなづく。
茄子には色合いも味わいも辛子がピッタリだ。

手打ちのそばも出色とのことなれど
すでにストマックはイッパイ、いっぱい。
次回の楽しみにとっておこう。
会計は樋口一葉にコインが数枚。
店長がドアを開いて見送ってくれた。

中野小町で良い店に出逢ったと
ほくそ笑みながら新橋を渡って往きました。

「こあら」 
 東京都中野区本町3-11-9
 03-5352-0825