2023年9月18日月曜日

第3364話 新橋で馬刺しと芋煮と梵天丸 (その1)

山形料理をいただきに新橋へ。
いえ、あの「鉄道唱歌」でおなじみの

♪ 汽笛一声 新橋を
  はや我汽車は 離れたり ♪

ではなくて、神田川のほとりに佇む、
コンパクトな町、中野新橋だ。
そう、小野小町ならぬ、
中野小町でありまする。

メトロ丸ノ内線を降りたら
神田川に架かる中野新橋を渡って
ちょいと坂を上がり、
右折してすぐ右手に「こあら」はあった。
駅から徒歩1~2分。

ユーカリの葉を食べる、あのコアらのことだが
別に意味はないらしい。
ただ店主が居酒屋っぽくない店名にしたかった由。
まっ、こういうのは店主の勝手だ。

カウンターに促され、ビールの銘柄を確かめる。
生はカールスバーグ、瓶はサッポロ赤星。
ときどき見かけるけどデニッシュは珍しい。
生を発注に及んだ。

クイ~ッ! ノド越しがスムースこの上ない。
カールスバーグってこんなに美味かったっけ?
キメ細やかさにかけては
いつもの銘柄の上をゆく。
即刻お替わり。
今後、出逢ったらコレを飲もう。

お通しは山形茄子のオランダ煮。
なんでオランダなのか訊きそびれたが
いわゆる茄子の煮びたしで
小海老が1尾鎮座していた。
うん、コレも美味いや。

あらためて店内を見渡す。
客も若けりゃ、スタッフもみな若い。
年配者が一人としていない。
いや、J.C.だけが孤軍奮闘、
平均年齢を上げているものの、
所詮は多勢に無勢。
自分は大洋に流される処理水に過ぎない。

品書きをくっていて目が釘付けとなったのは
山形県白鷹町産の馬刺しであった。
”生で届いた馬刺しは冷凍物とは別モノです”
そうこられちゃ、
頼まないわけにはいきまっしぇん。

=つづく=