再び呆気に取られたがアンちゃん、
これでは終わらなかった。
なんと飛び魚をアンコールしやんの。
いったいどんなヤツなのか?
奥の方を見渡すフリして横顔をのぞき込むと
メガネの黒ぶちがデカ過ぎてよく見えないヨ。
世の中、いろんな人がいるもんだねェ。
老兵は死なず、ただ消え去るのみ。
昭和31年創業「三福」のお勘定は2300円。
東口に抜けるガードをくぐった。
ブクロのハシゴはいつも西口から東口。
西の方が早く開ける店が多いためだ。
例えば「三福」は14時、
これから向かう「ふくろ」は16時。
ん? 何処からともなく橋幸夫の歌声がー。
♪ 潮来の伊太郎 ちょっと見なれば
薄情そうな 渡り鳥
それでいいのさ あの移り気な
風が吹くまま 西東
なのにヨー なぜに眼に浮く潮来笠 ♪
(作詞:佐伯孝夫)
橋のデビュー曲「潮来笠」は1960年のリリース。
この年、日本全国津々浦々を駆け巡ったのは
井上ひろし「雨に咲く花」、佐川ミツオ「無情の夢」、
西田佐知子「アカシアの雨がやむとき」、
松尾和子「再会」といったところ。
同じヒット曲でもJ.C.のベスト3は
花村菊江「潮来花嫁さん」、
フランク永井「好き好き好き」、
そしてなんといっても赤城圭一郎の
「霧笛が俺を呼んでいる」である。
好きが高じてこの3曲はカラオケでもときどき歌うが
「霧笛が・・・」では歌い出しの
♪ 霧の波止場に 帰ってきたが
待っていたのは 悲しい噂 ♪
この”悲しい噂”の部分、カラオケの画面では
うら若き吉永小百合の憂い顔がアップになるので
♪ 待っていたのは 吉永小百合 ♪
とやるんだ。
まじめに聴いてくれる人には間違いなくウケる。
ハナシが大きくそれてしまったので元に戻します。
以下、次話でー。
=つづく=
「三福」
東京都豊島区西池袋1-27-1
03-3971-1773