2023年12月8日金曜日

第3423話 京橋の裏通りは今

1丁目から8丁目までの銀座。
その南隣りが新橋ならば北隣りは京橋。
久しぶりに京橋に出掛けた。
かつて毎週のように訪れた街である。

国立映画アーカイブ(旧京橋フィルムセンター)へは
何度脚に運ばれたことだろうかー。
(脚を運んだのではなく脚に運ばれた)
東京でもっとも多くの映画を観たのは此処だ。
それが白内障で視力が落ち、足も遠のいていた。

アーカイブが面する鍛冶橋通りから1本南側の裏筋。
大阪を根城とする老舗から暖簾分けした、
うどんすき「美々卯」の立派な建物が残存するものの、
閉業して早や3年半、
コロ助がもたらした災厄というほかはない。

並びに何度か利用した「きむら」がある。
店内は板場に面してカウンター5席。
左手には壁に向かって4席。
かつては真ん中にテーブルが
置かれていたのに今は1卓もない。
料理は和食全般を扱っていたが
昼のメニューを眺めると
とんかつ中心の揚げ物に特化した気配だ。

豚ロース&ヒレかつ、大海老&ミックスフライ、
地鶏唐揚げなどのラインナップは
1000~1600円といった値付け。
サービス・ランチのとんかつ定食(1000円)は
値段からしてコンパクトに相違なく、発注した。
デカいとんかつは身体に毒だからネ。

記憶をたどれば当店のとんかつはかなりのレベル。
好印象が残っている。
けれどもどんなとんかつだったのか?
記憶はあいまいだ。

運ばれ来たる皿にはやはり小型の薄めが1枚、
キャベツを従えていた。
ごぼうサラダときゅうり唐辛子漬けの小鉢。
わかめの赤だしに茶碗のごはん。
全体のバランスは整っている。

とんかつを1切れつまんで首を傾げた。
こんなんだったかなァ。
肉質にも揚げ切りにも不満が残る。
思い返せば10年もご無沙汰している。

駒込アザレア通り「ときわ」のSPF豚でハズし、
今回もハズレの部類に入れざるを得ない。
旨いとんかつが食べたい。
頭の中で数軒の候補店を思い描いておりました。

「きむら」
 東京都中央区京橋3-6-2
 03-3561-0912