2015年3月5日木曜日

第1048話 昼はカレー屋 夜はバー (その1)

半年に一度くらい、顔を合わせては夕食をともにし、
二次会はカラオケ率きわめて高しのめしとも仲間が久々に集まった。
集結場所は日銀のおひざ元、本石町はその名も「本石亭」である。

余談ながら財務省と並んで日本金融界の頂点に君臨する日銀は
中央区・日本橋本石町にある。
最寄り駅は東京メトロ銀座線か半蔵門線の三越前。
日銀は三越本店のはす向かいに位置しているのだ。

JR新日本橋駅も至近だし、天下の東京駅だってそう遠くはない。
山手線で東京駅のお隣り、神田から歩いて通う行員も多い。
何せ、神田駅南口に1本走る商店街は
日銀通りと呼ばれてるくらいだものネ。

幹事役のA子嬢から店名を通達されたとき、
本石町にそんな屋号の飲食店があったかいな?という印象だった。
すき焼き屋か焼肉屋だろうと想像したりもした。

すると先般、メンバーのO野チャンが
月刊誌「dancyu」で紹介したカレー料理店だというではないか。
何でも昼はカレーライス専門店で
夜になるとカレーも供するバーになるのだそうだ。
ふ~ん、何となく楽しみだぞなもし。

ちなみにO野チャンは以前、横浜・伊勢佐木町にあった、
「カレー・ミュージアム」の名誉館長を務めた御仁。
押しも押されもせぬカレーの大家である。
他のメンバーは最近、苗字が変わったKる嬢に
A子とJ.C.の計4人がオリジナルの顔ぶれだ。
ここに1年ほど前からジョインしたのがI田クンで
当夜はフルの5人が集まったのだった。

日銀通りから1本入った横丁に「本石亭」はあった。
到着すると、何やら店先でA子がデジカメを駆使している。
ところが暗すぎてよく撮れないらしい。
確かにこの裏路地は暗い。

路地の突き当たりに
かつて「白蘭(びゃくらん)」なる中華料理店があった。
界隈で働いていた頃はたびたび小宴を張ったものだが
すでにべつの店に代わっていた。
飲食店の命は花の命に等しく短きものなりき。

入店してみて・・・おう、ここはホントにバーぞなもし。
スパイスの香りさえしなければ、バー以外の何物でもない。
男性陣二人は先着しており、
あとは苗字の変わったKるを待つばかりとなった。

当夜の話題は当然彼女に集中するハズ。
同性のA子は真相を知ってるくせに
オトコどもにはヒントすらもらしてくれやしない。
殊にKる嬢を憎からず思っている、I田クンなんぞ、
内心穏やかではなかろうヨ。
はて、結末やいかに?

=つづく=