2014年8月22日金曜日

第909話 さいはてのスピリッツ (その2)

豊島区・大塚はかつて都内有数の三業地。
若い人、というより団塊の世代以降に
三業地は耳慣れない言葉だろう。
三つの業者が互いに支え合って共存する地域で、いわゆる花街のこと。
三業は芸者置屋、料理屋、待合である。

旧三業地入口に位置する昭和22年開業の「富久晴」にいる。
大好きな焼きとんでこれまた大好きなビールを飲んでいる。
読者の須賀川市在住・Y本サンと練馬区在住・K柳サンから
最近の「生きる歓び」は飲み&食べネタに関しては
やたらめったらビール&焼きとんが多いですネと、
取り様によってはクレームとも取れないご意見をいただいた。
いや、これはコンプレインではないにせよ、
ほとんどクレームなのでしょう。
あいすみません。

読者のみなさんには誠に申し訳ないが
歳を重ねると保守的になってしまうらしい。
朝鮮焼肉屋やホルモン焼き屋にはめったに入らぬ身。
最近は好物のとんかつも以前ほど食べなくなった。
よって焼きとん屋がたんぱく質&ミネラルの補給源なんですわ。
腹具合によっては2~3本で切上げられるのもありがたく、
独り焼肉屋でカルビ1皿ってわけには
なかなかまいりませんからネ。

さて、「富久晴」、タンの次はシロとレバだ。
この2本はもちろんタレでいただいた。
どちらも旨いがシロはやや固く、レバはちょいとばかり火の通り過ぎ。
そんな印象であった。

それもそのはず、ここんとこ焼きとんとなれば、
金町の「ブウちゃん」を訪れる機会が増えている。
「ブウちゃん」での気に入りは
じっくり下茹でされて柔らかいシロ、
ちょい焼きでレアーに仕上げられたレバ、
以上2種類であるからにして
歯も舌もその食感に慣れ親しんでしまったんだネ。
いやはや、慣れっちゅうのはコワいもんでっせ。

1軒目はここでお勘定。
2軒目に向かう前に読者からのご質問に対する回答である。
最初に江東区のM村サン。
「サブタイトルの”さいはてのスピリッツ”って何のこと?」―
ハイ、これはつづきをお読みくだされ。

もう一方は明石市のS浦サン。
「よく大塚は池袋より盛っていたって
 書かれてますけど、本当ですか?」―
本当ですとも。
この件の説明は次話で―。

=つづく=

「富久晴」
 東京都豊島区南大塚2-44-6
 03-3941-6794