2014年8月13日水曜日

第902話 そば屋の少ない飯田橋 (その2)

千代田区・飯田橋と新宿区・神楽坂。
JR飯田橋駅の神楽坂下寄り改札を出ると、
目の前には牛込橋。
橋を左に渡れば千代田区、右なら新宿区だ。
橋の下には外濠が緑水をたたえている。
濠ばたは都内有数の桜の名所でもある。

さて、飯田橋にはうどん店が多く、
神楽坂はそば店がとってかわる、その理由であった。
これは単に前者がオフィス街で
後者が遊興の地であることによる。
だからどうした! ってか?
それはですな、オフィス街は昼のランチ客が主体で
遊興街は夜の晩酌族がメインになるためだ。

近年、日本そば屋がそば居酒屋と称して
深い時間まで営業するようななったが
うどん居酒屋というのはめったに聞かない。
結果、そば圏とうどん圏がすみ分けされたのだ。
まっ、セレブの街・銀座とオヤジの街・新橋が隣接するのと同じ。

それはそれとして九段下から歩き、飯田橋に到達した。
界隈の地番は富士見である。
町名の由来はこの台地からはかつて富士山が見えたからだ。

今回、訪れたのはうどん屋の「悠讃(ゆうざん)」。
ネットのカキコミによる評価は非常に高い。
時刻はまだ11時半でピーク前、すんなり座れた。
通されたのは壁にまともに対峙するカウンターだ。

食事をとるとき、目の前に居てほしいのは
老若を問わずとも美女に如くはなく、なるべくなら壁は避けたい。
避けたいけれど、単身客に選択権などありゃしない。
接客のオネエさんの指示に従うほかはない。

注文の品は来店前から決めてあり、
手はず通りにぶっかけうどん(650円)をお願いする。
盛り付けに品がある
やや太打ちのうどんに乗った具材は
スダチ半個・削り節・わかめ・おろし生姜・大根おろし・きざみねぎ。

ランチタイム・サービスとして青菜ごはんが付いた。
それがコレ
視覚にうったえる、お食べ得なセットといえる。
期待に胸をはずませてまずはうそんを一箸。
モグモグ・・・ん? コシがあるのはけっこうながら
ちと固すぎるんではないかい?
アルデンテにすぎるんだよなァ。
青菜ごはんとともに完食はしたものの、
人気の理由が最後まで理解しかねたJ.C.でありました。

と、ここまで綴ってきたが
実を言うと、訪問したのは4ヶ月も前のこと。
なぜかその月ずえにはこのお店、閉店してしまった。
どこぞで再開の噂はあるものの、詳細は知らない。
遅ればせながら、アップした次第で悪しからず。