JR常磐線・金町。
駅から歩いて3分ほどで到着する焼きとんの佳店、
「ブウちゃん」については、つい先日綴った。
今話はその「ブウちゃん」を訪れる道すがら、
たまたま発見した酒場を紹介したい。
その名は「深川酒場」。
そう、葛飾・金町に深川があったのだ。
寂れた旧商店街をちょいと横に入ったところにもかかわらず、
意想外に間口の広い店。
掲げた暖簾に相応の風格が漂う。
地元の方には失礼ながら、金町にこんな酒場があったとは―。
いや、ビックリなのであった。
その夜はすでに更けて
たとえ入店できたにせよ、そう長居はできまい。
よって後日、出直すことにした。
でもって初訪問の夜である。
22時前後であったろうか?
暖簾がしまわれていないし、店内からは灯りがもれている。
初めて入る飲み屋は出たとこ勝負の楽しさがある。
屋号からして昔かたぎのオヤジさんが取り仕切る店と想像したが
あにはからんや、初老の女将と彼女を補佐する中年女性、
二人だけの切盛りであった。
そして二人が二人とも若かりし頃はそれなりの器量良しと、
うかがい知れる容貌の持ち主だ。
そこはかとない気品が匂い経つ。
(ちょっとホメすぎかな?)
大瓶のビールを頼むと、突き出しに出たのがタコ酢だ。
気が利いており、これだけで期待がふくらむ。
座ったカウンターの真ん前にショーケースがあって
まぐろ赤身、〆さば、そして白身が一サク。
ちょっと見、平目でも真鯛でもないからカンパチあたりだろうか。
品書きに縞アジがあったからこれに違いない。
しかし、驚いたなァ、縞アジを供する大衆酒場が葛飾煮あったとは―。
品書き札とメニューボードを吟味したうえで、その縞アジをお願いした。
すると、するとですヨ、想像を超えた傑物ふが登場したのだ。
ふ~ん、やるモンですねェ。
わさびこそニセなれど、良質な素材はうれしい誤算であった。
ケースには串打ちされた鳥ハツもあって好物につき、追加した。
「ブウちゃん」に焼きとんはあっても
焼き鳥はないから好都合、ちょうどよかった。
こりゃ、いい店に出会ったゾ。
浅い時間に再訪してもうちょっと長居をしてみたい。
その夜は早々にお勘定。
何と2千円でオツリがきたのだった。
=つづく=
駅から歩いて3分ほどで到着する焼きとんの佳店、
「ブウちゃん」については、つい先日綴った。
今話はその「ブウちゃん」を訪れる道すがら、
たまたま発見した酒場を紹介したい。
その名は「深川酒場」。
そう、葛飾・金町に深川があったのだ。
寂れた旧商店街をちょいと横に入ったところにもかかわらず、
意想外に間口の広い店。
掲げた暖簾に相応の風格が漂う。
地元の方には失礼ながら、金町にこんな酒場があったとは―。
いや、ビックリなのであった。
その夜はすでに更けて
たとえ入店できたにせよ、そう長居はできまい。
よって後日、出直すことにした。
でもって初訪問の夜である。
22時前後であったろうか?
暖簾がしまわれていないし、店内からは灯りがもれている。
初めて入る飲み屋は出たとこ勝負の楽しさがある。
屋号からして昔かたぎのオヤジさんが取り仕切る店と想像したが
あにはからんや、初老の女将と彼女を補佐する中年女性、
二人だけの切盛りであった。
そして二人が二人とも若かりし頃はそれなりの器量良しと、
うかがい知れる容貌の持ち主だ。
そこはかとない気品が匂い経つ。
(ちょっとホメすぎかな?)
大瓶のビールを頼むと、突き出しに出たのがタコ酢だ。
気が利いており、これだけで期待がふくらむ。
座ったカウンターの真ん前にショーケースがあって
まぐろ赤身、〆さば、そして白身が一サク。
ちょっと見、平目でも真鯛でもないからカンパチあたりだろうか。
品書きに縞アジがあったからこれに違いない。
しかし、驚いたなァ、縞アジを供する大衆酒場が葛飾煮あったとは―。
品書き札とメニューボードを吟味したうえで、その縞アジをお願いした。
すると、するとですヨ、想像を超えた傑物ふが登場したのだ。
ふ~ん、やるモンですねェ。
わさびこそニセなれど、良質な素材はうれしい誤算であった。
ケースには串打ちされた鳥ハツもあって好物につき、追加した。
「ブウちゃん」に焼きとんはあっても
焼き鳥はないから好都合、ちょうどよかった。
こりゃ、いい店に出会ったゾ。
浅い時間に再訪してもうちょっと長居をしてみたい。
その夜は早々にお勘定。
何と2千円でオツリがきたのだった。
=つづく=