2014年8月18日月曜日

第905話 串から串へと (その3)

荻窪北口にある、うな串専門の店「川勢」にて
6本セットを食べ終えたところ。

そう、そう、レバーだけを1串にまとめた純レバは
常連にならないと口に入らないと述べたが
いただく手立てがもう一つ、
セットのあとの追加注文という手があった。
これなら一見客でも臆することはない。
モツ類の接種不十分という状況下で
レバーの追加はまさにお誂え向きではないか―。

それでも結局は薬局、断念の止むなきにいたった。
レバーに加えてすでにいただいた、
肝・エリ・バラの三羽ガラスをもう1本づつ、
余裕でいける腹具合だったのに
決意をにぶらせたのは紀州備長炭の強烈な火力であった。
焼き場の真ん前で長時間の滞在はムリだヨ。

すみやかに済ませた会計は二人で金4400円也。
1箱のうな重より、6本の串焼きは大きな幸福感を与えてくれた。
池袋西口や新宿・思い出横丁は未訪なれど、
J.C.の知る限り、うな串専門店で「川勢」の右に出る者はない。

時刻は19時ちょうど。
せっかくの再会に積もるハナシはまだまだある。
っていうか~、串焼きに追われて思い出話どころじゃなかったぜ。

しばし界隈をウロついて入店したのが「カッパ」。
こちらは同じ串でもうなぎじゃなくて豚である。
そう、大好物の焼きとん屋だ。

 ♪ 酒場女の ぐちなど誰も
   どうせまともにゃ 聞くまいに
   死んでもいい程 命をかけた
   だめなのね だめなのね
   お酒があなたを 変えたのね
   花から花へと 花から花へと 行った人 ♪
            (作詞:白鳥園枝)

1980年、島津ゆたかのヒット曲、「花から花へと」だが
われわれ二人は「串から串へと」である。

他にも「ホテル」などのヒットを持つ島津ゆたかだが
2002年、NHKラジオ第一の公開生放送番組で
暴言・失言を繰り返し、レッドカードを食らって以来、
おおやけの場から姿を消した。
口は禍の元の典型例だ。

あれから12年が経つが、数年前に噂を聞いた。
何でも西浅草でカラオケ・スナックを開業しているという。
その後、散歩の途中、
「島津ゆたかの店」なるスナックをこの目で確認した。

実際に店で飲んできた友人のレポートによれば、
店内はさびれてわびしく、
本人も健康を損なっている様子だったという。

おっと、ハナシがまたもや脇道にそれた。
「カッパ」の串については次話で―。

=つづく=

「川勢」
 東京都杉並区上荻1-6-11
 03-3392-1177