都内第二のコリアンタウン・三河島。
浅草寿町行きの都営バスを
宮地の交差点で降り、尾竹橋通りを南下した。
本日の昼のターゲットは
海南鶏飯(ハイナンジーファン)、楽しみだ。
実はこの前日。
鶯谷の行きつけでドライの大瓶と
五目そば麺半分の昼食後、
三河島駅前のスーパーへ歩いて夕食の買い出し。
その途中、とある店先の鶏飯のポスターに
惹かれたのだった。
ながめ入っていると、
中からアジア系女性が出て来てつかの間の質疑応答。
「今日は昼めし食べちゃったから近いうちネ」
「ハ~イ、待ってますぅ」
それを翌日実行に移すんだから
われながら律儀なものよのぉ。
ポスターには皿盛りのチキンライスの横で
3種のソースが色鮮やか。
シンガポールに長いこと棲んだせいか
J.C.はタイのカオマンガイより
シンガポールの国民食、海南鶏飯を好む、
その大きな理由が3種のソースで
自分では三種の神器と呼んでいる。
ソースの写真に
ネギ生姜、チリソース、老抽王と明記されていた。
老抽王は中華のたまり醤油のことで
現地ではダークソースと呼ばれるが
J.C.はずっとダックソースと聞き間違えていた。
何だってチキン(ニワトリ)を食うのに
ダック(アヒル)のソースを使うんだい?
長いこと、この疑問を抱えていたのだ。
それが解明されたときの驚きと歓び。
そうだよねェ、たまり醤油はかなりダークだもの。
何だか往年のヴォーカルグループ、
ダークダックスみたいなハナシだネ。
まあ、ことのきっかけは
シングリッシュ特有の発音なんだガニ。
おっと、カニはもう終わったな。
とにかくダークがダックに聴こえちまうんだ。
例えば、He told me
英米人なら ヒー・トール・ミー と音ずるハズ。
これが連中にかかっちゃ ヒッ・トッ・ミー だもの。
志村けんのひとみ婆さんじゃあるまいし。
とにかくこの春オープしたばかり。
「南国の味 勝正(しょうせい)」の引き戸を引いた。
何だかもろに居酒屋の居抜きだわ。
=つづく=