2022年11月24日木曜日

第3153話 そば屋より スピン・オフした 天ぷら屋

先週の土曜日。
ランチに出向いたアメ横の町中華は長蛇の列。
しからばと回ったとんかつ屋の列はさらに長い。
週末は上野・浅草に近づくもんじゃないネ。

地下に潜って都営大江戸線のプラットフォーム。
内回りでも外回りでも先に来たほうに乗るつもり。
内回りの都庁前行きが先だった。
一駅乗っただけで下車した本郷三丁目。
目指すは天ぷら店「天㐂」である。

本郷は人が少ないねェ。
それでもゆったりとした店内に先客が2組。
カウンターがいいんだけど、
混み合わないと使わせないようで二人掛けに促される。

狙いを定めた江戸前天丼(1550円)の内容は
穴子・キス・めごち・ししとう)。
理想的なメンバー構成じゃござんせんか。

ところがお運びの娘さん。
「今日はめごちのご用意がなくて
 代わりにつまみ海老ですが宜しいでしょうか?」
「けっこうですヨ」
応えたものの、少しばかり落胆。
つまみ海老というのは小海老の二連いかだ揚げ。

おおっ! 錦牡丹の蓋丼が着卓した。
しかも蓋の抑え込みに抗うかのごとく、
穴子の腹と尻尾が飛び出ていた。
何とまあ、グッ・ルッキン!

海老の尻尾がハミ出てないと
天丼食った気がしないと言ったのは
萩本の欣チャンだったっけ。

めごちとつまみ海老では単価が異なるため、
いかだは三連で来た。
かような気働きこそ古く良かりし老舗の美点だ。
ちなみに当店は「本郷藪蕎麦」より、
天ぷら専門店として独立後、
百年の歴史を刻み続けている。

天ぷらがしっとりしてるのは
蓋付きで蒸れたせいかな?
ふっくらキスはともかくも
穴子はもっとカリッと揚げて欲しいな。

新香は、きゅうり浅漬け・たくあん・キャベツもみ。
ここにお椀があれば言うことナシ。
品書きは天ぷら以外に余計な料理がなく、
予約のコースの刺身くらいのものだ。

ビールはキリンのみ。
生が一番搾り、瓶はラガー。
よって、中ジョッキ1杯で切り上げ、
あとは緑茶を飲みました。
文字通り、お茶を濁したのでありまする。

「天㐂」
 東京都文京区本郷4-5-8
 03-3811-5421