2023年2月17日金曜日

第3213話 桜吹雪に舌つづみ

深川の北端、森下の「みの家 本店」に入店。
馬肉専門店で桜吹雪に吹かれるためにー。
メンバーは2ヶ月前と同じ。
美女軍団+後輩夫婦である。

一同、時間厳守で集結したのは15時。
早め仕掛けの早め仕舞いは
コロナ禍のクセ未だ抜け切らずの証しだが
この風潮はわれわればかりではなかろう。
日本全国、オッサンもオバちゃんも
”よいこの皆さん化”しているんだ。

3台のガス台を前にドライで乾杯。
愛すべき皆の衆よ!
ビールが苦手の後輩・N々は
早くも白鶴の熱燗に切り替えている。

通した注文の品々はかくの如し。
肉刺し3・あぶら刺し2・
桜鍋3・桜ロース鍋3・
焼き豆腐2・生玉子6・
べったら漬け2

最初に運ばれたのは桜刺し。
深紅の赤身と白色のあぶらは
まさしく卓上の紅白”馬”合戦。
一同、舌つづみを打ち鳴らす。
ポンポンポン!

あぶらはコウネ、いわゆるタテガミ部分。
クリーム色を帯びた脂身が少しもクドくない。
すんなり、すっきり口中に溶けてゆく。
このときJ.C.が発した指令は
おのおのあぶら1切れを鍋用に
キープしておくこと、これが大事なのだ。

べったら漬けで箸を休める。
今度はポンポンポンの代わりにポリポリポリ。
たくあんだと田舎臭くなるが
べったらならば、火事と喧嘩に並ぶ江戸の華。
この辺りでみな熱燗に移行した。

そうこうするうち鍋の支度が整う。
鞍置き(鞍下肉)とロースに
さほどの違いは見られない。
ロースに多少のサシが入っている程度だ。

鍋は白滝・ねぎ・麩入り。
そこに焼き豆腐を追加してある。
割下と味噌だれで煮てゆくのだが
味噌は八丁味噌と江戸味噌の混合。

肝心の馬肉は寒冷地が良いとのことで
青森とカナダの産。
サラブレッドの倍以上もある大型馬を使用する。
煮るほどに味わうほどに
再び舌つづみが連打されたのでした。

「みの家 本店」
 東京都江東区森下2-19-9
 03-3631-8298