2023年2月1日水曜日

第3201話 あの震災から100年

「川勇」をあとにして食後の散歩。
ぼんやり考えていた。
卯年・睦月のベスト3は
「8 base」ー〆鯖棒寿司ハーフ
「とんかつ武蔵野」ーかき盛合わせ定食
「川勇」ー肝焼き&うな重(並)
これでキマリだな。
こいつは春から縁起がいいわい。

横網町公園の慰霊堂が見えてきた。
そうだ、復興記念館に立ち寄ろう。
NYから帰国してほどなく
訪れたのは’98年春だったから丸25年、
四半世紀ぶりになる。
住まいのあった柳橋は
隅田の大川の向こう岸だからネ。

入館してすぐの場所に避難民たちのスナップがー。
この人々がことごとく焼死したのかー。
いや、そうではなかった。
群衆の写真は皇居前広場、
そして上野駅前広場であった。
地震が発生して間もない頃の首都圏各地の写真。
まだみんなノンビリしており、切迫感が見られない。
そりゃそうだ、火の手が回ったら
スナップ写真どころじゃなくなるからネ。

やがて四方から火が押し寄せ、
多くの人が犠牲になったのである。
あれからちょうど100年。
暗い気持ちを引きずりながら退出した。

両国橋で隅田川を渡り、柳橋で神田川を渡る。
鳥越、小島を経て御徒町にー。
「吉池」で酒肴の調達をする前に
吉池直営の「味の笛」で
ドライとH&Hの生を1杯づつ。
身も心も生き返る。
いか塩辛とアサツキ酢味噌和えをテイクアウト。

「吉池」の地下に潜る。
今夜はポークソテーを焼こう。
好みの銘柄、TOKYO Xのロースを
厚さ2cm にカットしてもらった。

ついでに1階の鮮魚売り場に回る。
おおっ、長崎産黄ハタの刺身があるじゃないか。
見るからに上物が1パック800円。
諸物価値上がりの折、鮮魚類も例外ではない。
鯛も鮪もスゴいもんなァ。
ところが知名度の低いサカナは
値上がりとは無縁、ありがたい限りだ。

でも、こういう知識は
あちこち食べ歩いて培ったもの。
授業料はきちんと払って来たつもりです。
その夜、わが家の食卓は
幸福感に満ち溢れておりました。

「味の笛 本店」
 東京都台東区上野5-27-5
 03-3837-5828

「吉池」
 東京都台東区上野3-27-12
 03-3831-0141