出没率が極めて高い上野と浅草は
芋洗い状態となる週末に限り、
努めて避けるようにしている。
殊に明るいうちはネ。
ところがその日曜は日暮里から
錦糸町行きのバスに乗って東武浅草駅前で降りた。
日曜と知った上での狼藉ながら、これでいいんだ。
何となれば狙いは「神谷バー」。
正午前に着いたが、この時間なら余裕である。
1階のチケット売り場でいつものように
ドライ大瓶・電氣オールド・串カツの3点セットをー。
トクトクトクのグビ~ッを三連発。
こいつはたまらん。
続いておもむろに電氣のグラスに
唇を近づけると唇のヤツ、震えてやがんの。
初めてのキスみたいなもんだけど、
ヨイヨイのジイさんじゃあるまいし、
コレってヤバくネ?
とは言え、楽しい30分間でした。
雷門の門前を横切るとスゴい人だかり。
中国語の嵐も吹きすさんでる。
とうとう戻って来やがったかー。
こんなとこにサリンなんかまいたら
トンデモないことになる。
チツオ亡きあと誰も手を出さないから
ひとまず安心だけどネ。
昭和30年代から、いや、20年代かな?
とにかく古くからある、
「酒富士」の止まり木に止まった。
思い出すなァ、あれは6年前の春。
ブリスベン生まれの豪州娘、
その名もブリの隣りに座ったのはー。
彼女は平穏にかつ丼を食べていた。
その平和を破り、
反捕鯨急先鋒国の出身者に内緒で
鯨ベーコンを食わセちゃったヨ。
白状しても別段、取り乱すことなく、
ケロッとしていたのにはこちらが驚いた。
そんなことを思い出しつつ、
ドライとまぐろのぬたを所望する。
そしたらまぐろがスゴいんだ。
デッカい粒、いやブツが7~8粒、
これでもかと云わんばかり。
どうにかやっつけたけど、
まぐろはしばらく食いたくないや。
立て込んできたことだし、
そろそろ浅草を脱出しよう。
「神谷バー」
東京都台東区浅草1-1-1
03-3841-5400
「酒富士」
東京都台東区浅草1-6-1
03-3843-1122