前日、寅さん映画を観たため、
葛飾柴又に行きたくなった。
4年前の年末、2週続けて土曜に行って以来だ。
のみとも・Fちゃんが「行ってみたい」と言い、
元カノ・T子は「連れてけ!」とほざいた。
今にも降り出しそうな空模様。
天気予報の雨マークは傘が閉じていたため、
いてまえ! てなもんだった。
しかし着いたら、ちょいと強めのパラパラだ。
帝釈天(題経寺)は小雨にけむっていた。
竹ぼうきで庭を掃く源公の姿は無かった。
参道を戻り、川魚料理店「川千家」の暖簾をくぐる。
18年ぶりである。
そのときのことは当時、
連載していた日刊ゲンダイのコラムに書いた。
銀座の現役ママ・E美子と一緒だった。
「テーブルでもお座敷でもお好きな方へ」ー
そう言われて靴を脱いだ。
こういう店では畳がよりしっくりくる。
まだ11時なのに先客が数組。
一様にうなぎの重箱をある者は肘をついて突つき、
またある者は人目もはばからず搔っ込んでいる。
とても外国人に見せられる姿ではない。
女性はともかくもニッポンの男どもの
食卓における作法には目を覆いたくなる。
これもみな女性であるところの
母親のしつけが悪いんだ。
ドライの中瓶とうざくを通したら、うざくNG。
仕込みが間に合わないのかな?
代わりに肝ロールをお願いする。
うな肝の詰め物の色は黒ずんでいるが
イタリアのサラミに似た感じだ。
菊正の上燗に切り替えた。
胡坐をかくと清酒が欲しくなる。
ニッポンの Jesus Crist、
J.C.にも日本人の血が流れているんだネ。
さて、つまみをもう1品。
せっかく柴又の「川千家」まで来て
うなぎなどと悪手は指したくない。
初心者じゃないんだしネ。
鯉にしようか、どぜうにするかー。
難敵なれど此処は一番、鯉でいこう。
さすれば、あらいでいこうか、濃いこくでいくかー。
鯉の悩みは尽きないものがございます。
=つづく=