2026年5月20日水曜日

第4075話 最初で最後の徳島県

神奈川県在住の H村サンから
「景色なんかどうでもいいって
 おっしゃいますが
 渦潮だって景色でしょ?」
前話にクレームを頂戴した。

J.C.に言わせていただければ
渦潮には動きがあるんです。
岸辺に寄せるさざ波や
小川のせせらぎ、峯より落つる滝、
そのあたりもそうでしょう。

花にしたって、ただ咲く桜より、
桜吹雪に風情を感じます。
風に揺れるひまわり畑も
趣きがありますネ。
停まった景色は飽きちゃいます。

さて、徳島のその夕べ。
実は J.C.にとって
徳島県に来るのは初めて。
そして日本全国47都道府県で
唯一未踏だったのが此処だ。
徳島へは初陣だけれども
難攻不落、最後の砦でもあった。

真っ先に向かった「安兵衛」。
徳島駅そばの大衆酒場は
和歌山駅近くの「多田屋」と
並び称される市のランドマーク。
昼前からの通し営業もうれしい。

ドライ大瓶を通したはいいが
食欲がまったくない。
すべて昼めしのせいである。
よって、食べたいものより、
量の少なそうなものを探した。

350円の地どり焼き鳥に続き、
同値の串かつを通した。
どちらも2本づつだ。
阿波尾鶏の柔かいもも肉に
玉ねぎとピーマンがねぎま状態。
甘いタレが多いので皿を
傾けて串を上部に避難させる。
串かつは豚ではなかった。
やはり阿波尾鶏の胸肉だった。

熊本の麦焼酎・白水のロックに
切り替え、もうひと飲み。
いつもは芋だが
たまさかの麦もいいもんだ。
支払いは1990円と大衆価格。

両国橋で新町川を渡る。
雄大な吉野川の支流である。
裏町の飲み屋街に足を踏み入れ、
秋田町、栄町、鷹匠町と
同じ道筋を何べんも
往ったり来たりした。

歌声が漏れ来るスナックが
あったけど今宵の気分は違う。
ドアを押したのは
「Bar Toyokawa」なる、
オーセンティック・バーだ。

50歳前後だろうか?
バーテンダーが独りきり。
さっそくの1杯はホワイトレディ。
コアントロー少なめ、
ハードシェイクでお願いした。

交わす話題はもっぱら
店の歴史と徳島市の近況だ。
彼にも1杯ごちそうし、
サイドカー、XYZと飲み重ねた。
ジン、ブランデー、ラム、
酒移れども他の材料は
全て同じカクテルである。

1時間の滞空で会計は6千円。
3軒目を思いとどまり、
真っ直ぐ帰宿したのでした。
翌朝が早いのでネ。

「安兵衛」
 徳島県徳島市一番町3-22
 088-622-5387

「Bar Yokokawa」
 徳島県徳島市栄町2-6
 088-653-6339