2020年10月14日水曜日

第2501話 薩摩の芋と壱岐の麦 (その2)

荒川区・西日暮里の諏訪台直下、
谷底の「鳥のぶ」で新規ののみともと酌交している。
なかなかの飲みっぷりは
大型新人と呼んで差し支えあるまい。
 
殻付き生がきを一口でツルリンコ。
一粒だけではいささかもの足りない。
続いて刺し盛りが和食らしからぬプレートで運ばれた。
3×3=9
碁盤の目のように仕切られた真っ白な皿は
フレンチのオードヴル・ヴァリエの如し。
 
構成員ならぬ、 構成魚を紹介すると、

かんぱち・サーモン・中とろ・〆さば・赤貝・帆立。

すべて2スライス・イーチ。

ほとんどが2切れで1マスを占めているが

最も高価と推察される、中とろ&赤貝は1切れ1マス。

残りの1枠は薬味のわさびと紫芽(むらめ)、

別名、芽紫蘇である。

 

魚介がみな水準に達しているのに肝心のわさびが似非。

食事メニューに静岡産わさび丼があり、

これならばと期待したものの、

ゲタを外された格好で、これじゃダメじゃん。

 

傷心のまま芋焼酎にドリンクをスイッチ。

薩摩の国の西酒造が世に送り出す宝山シリーズのうち、

最も入手困難といわれる白天宝山に

白羽の矢を立てロックで—。

名称の由来は白麹を使用するからなれど、

わが舌は明白な違いを感知しなかった。

 

焼き鳥が8本まとめてドンと来た。

串のサイズは平均より大きめ。

はつ・ふりそで・さえずり・ればの順に食べ進む。

良かったのはさえずり。

豚ナンコツに難色を示す、歯に自信のない方もOKだ。

コリコリではなくクニュクニュの歯ざわりである

 

白天宝山に不満はなくとも

麦焼酎に壱岐の華 昭和仕込みを見つけて切り替える。

飲む焼酎は基本的に芋だが壱岐の産があったら必飲。

あとは大分産はだか麦使用の兼八は好きだ。

 

あ~、やっぱりいいねェ

みょうがの味噌焼きを合いの手としたらピッタリ。

麦をお替わりするとき、

よほどみょうがもと思いきや、

食べすぎるとバカになるそうだからやめといた。

 

浦安と早稲田はバカで蔵を建て、ってネ。

かつて浦安はバカ貝(アオヤギ)の早稲田はみょうがの、

それぞれ大産地だったのです。

 

「鳥のぶ」

 東京都荒川区西日暮里2-48-5

 03-3891-3691