ウルトラマン商店街の洋食屋でハズしたあと、
1時間余り界隈をほっつき歩いて町を出た。
この日は長距離散歩を敢行するつもり。
小田急線沿いに東へ向かう。
隣りの千歳船橋を目指して城山通りを往った。
歩き初めて10分ほど、
遭遇したバス・ストップでアイ・ストップ。
停留所名が笠森稲荷前。
どうして笠森稲荷がこんなところに―。
そのことであった。
大阪・高槻市に創建されたこの稲荷神社は
東京・谷中の天王寺境内に勧請され、
江戸中期、明和年間には門前の水茶屋「鍵屋」の看板娘、
お仙が評判となり、人気を博して大いににぎわった。
それがなぜ遠く離れた世田谷・砧の地に?
調べてみても経緯は判明せず。
ネットの写真では廃れ果てたという感じだったが―。
千歳船橋は平成の終りの春以来。
大型10連休の2日目に「旬菜 すがや」で飲んだ。
ちょいと心配で訪ねてみたら営業を続けていて一安心。
道筋をそのまま直進してT字路にぶつかり、
通りの名前を記す標識を見てビックリ。
何と森繁通りだとサ。
森繁と聞いたら希代の名優、森繁久弥意外に思いつかない。
こちらは調べたらすぐ判った。
かつて通り沿いに名優が棲んでおり、
いつしか地域の住民が呼び始めた俗称が
区も認める正式名称になった由。
経堂にやって来た。
此処には「はるばる亭」がある。
カウンター数席だけの小体なラーメン店だが
昼から酒を飲ませてくれる。
したがって呑ん兵衛が2~3人も集まると、
回転率が極端に落ちてしまい、
ラーメンだけの客は相当待つ破目に陥る。
チャーシューかシナチクでビールをと思い、
十数年ぶりの再訪。
すると、店先に貼り紙1枚。
紅葉の季節となりました
旅に行ってきます
=店主=
ハハハ、一風変わった人だったけど
まるでフーテンの寅さんみたいだネ。
=つづく=