2020年10月15日木曜日

第2503話 ラムレバーは和牛に届かず

魚介類の買い出しでいつものように御徒町へ。
その前に昼めし。
松坂屋の周りをグルッとめぐって決断できない。
ガード下のラーメン横丁で
未だ食べたことのない蒙古タンメンに挑戦してみるか—。
でもなァ、辛いのはノー・プロだけれど、
油っこさとボリュームはどうだろう?
 
結局、踏ん切りつかず、横丁を尻目に
なおもあまり行きたくない街、秋葉原方面へ歩く。

ほどなく、これもガード下だが

1軒の中華屋の品書きにまなこを居抜かれた。

 

=ラムレバーと玉ねぎ炒め(800円)=

う~む、仔羊の肝臓ときたか、コイツは珍しい。

思った瞬間、片足を棺桶、

じゃなかった、店内に踏み入れていた。

上記の定食はランチセットの3番。

ほかのセットは

角煮バーガーのスープ付き、3種のホルモン香辣炒め。

麻辣牛肉麺、茄子ピーマン豚肉麺など

麺類にはに半炒飯かミニ鶏丼が付く。

 

レバーとなればつい先日、北 区・西ヶ原の「きたむら」で

極上の黒毛和牛を食したばかり。

根っからの内臓好きだから、たび重なっても構いはしない。

しょっちゅう暖簾をくくぐる焼きとん屋でも

レバーを外すことは絶体と言うほどにない。

 

献立を見れば、当店が町中華じゃないのは一目りょう然。

厨房には大陸出身と思しきアンちゃん二人。

接客の小姐(シャオジエ)もそのようだ。

おっとイケない、台湾・マレーシア・シンガポール辺りでは

モー・マン・タイ(問題ナシ)ながら

大陸で小姐は“春を売る娘”の意味をも持つと聞いた。

よって服務員(フーユァン)と呼びかけるそうだ。

 

とにかく服務員が運んでくれたセットは

主皿のほかに小皿が搾菜と長ねぎの炒め、

胡麻ドレのかかった繊切りキャベツ、

カレー風味の揚げじゃが芋、

たっぷりのワカメスープにお替わり自由のライス。

 

ラムレバー炒めは玉ねぎに

ピーマンも散見されるが、ほとんどレバー。

日本の町中華の陰口はたたきたくないけれど、

多くの店のニラレバ炒めで主役を張るのは断然モヤシ。

ポツリポツリとレバーが顔を出し、

ニラなんかホンのチョッピリ。

本来、ああいう所業は許されないんじゃないの?

 

肝心のレバーは、いや、この場合は肝肝か―。

豚マメ(腎臓)に似た食感は好きだが

何せこのボリューム、食べでがあり過ぎた。

肝腎のお味のほうは黒毛和牛のレバーに届きませんでした。

 

「老酒舗」

 東京都台東区上野5-10-12

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