♪ よこはま たそがれ ホテルの小部屋
口づけ 残り香 煙草のけむり
ブルース 口笛 女の涙
あの人は 行って 行ってしまった ♪
(作詞:山口洋子)
「ほていちゃん」を出てハタと気づいた。
明るい時間なのに、たそがれ感漂うのは人が少な過ぎるのだ。
ようやく五木ひろしのデビュー曲が頭の中を回り始めた。
浅草に来ていながら中ジョッキ2杯で
きびすを返すJ.C.であるハズもない。
足りないときは補てんである。
ポチの事務所、っていうかァ、
あんなのはポチ自身の指図に、決まりキ〇タマなんだがな。
あっ、いけネ、またもやレイシツ!
自粛ならぬ、自制が足りないせいか
最近、シモネタが多いわい。
コソコソせずに堂々と、アルコール補てんのため、
幾度お世話になったか数知れない「神谷バー」、
その2階の「レストラン
カミヤ」へ。
エッ? エエ~ッ!
平日の15時だというのに先客は中年カップル1組のみ。
しかもソフトドリンクでランチを食べている。
100回以上は来ているハズだが、こんな「神谷」は初めてだ。
100を超える席数はヒマな時でも半分は埋まっていた。
浅草のランドマークにこんな日が訪れようとは―。
さみしさのつれづれに
神谷名代の電氣ブランオールドを飲んでいた。
電氣のお替わりと同時に新メニューのワンプレートおつまみを―。
海老名マカロニグラタン・ジャーマンポテト・サラミ・
ガーリックソーセージ・鶏の唐揚げ・かにコロッケ・
生ハムサラダ・にんじんマリネ
といった内容で1400円はオススメだ。
15時22分、カップル去ってとうとう一人きりの貸切り状態。
こんなことはもう生涯ないだろう、いや、あってはならない。
すると今度は井上陽水の歌声が・・・。
♪ 楽しいことなら 何でもやりたい
笑える場所なら 何処へでも行く
悲しい人には 会いたくもない
涙の言葉で 濡れたくはない
青空、あの日の 青空、ひとりきり ♪
陽水の隠れた名曲「青空、ひとりきり」は
1975年11月のリリース。
15時28分、単身のオジさん現る、あらわる。
小ジョッキ、デンキブラン(並)、海老グラタンを発注した。
飛行機事故が集中する離陸後8分プラス着陸前3分を
航空業界はクリティカル(危機的)11ミニッツと呼ぶが
J.C.にとってこの日の「神谷」は
インクレディブル(信じがたい)6ミニッツ。
広いホールにひとりきりの6分間。
生涯、このひとときを忘れることはないでしょう。
「レストラン カミヤ」
東京都台東区浅草1-1-1
2F
03-3841-5400