2021年1月21日木曜日

第2573話 あさくさ たそがれ 補てんの「神谷」

♪   よこはま たそがれ ホテルの小部屋

  口づけ 残り香 煙草のけむり

  ブルース 口笛 女の涙

  あの人は 行って 行ってしまった ♪

      (作詞:山口洋子)

 

「ほていちゃん」を出てハタと気づいた。

明るい時間なのに、たそがれ感漂うのは人が少な過ぎるのだ。

ようやく五木ひろしのデビュー曲が頭の中を回り始めた。

 

浅草に来ていながら中ジョッキ2杯で

きびすを返すJ.C.であるハズもない。

足りないときは補てんである。

ポチの事務所、っていうかァ、

あんなのはポチ自身の指図に、決まりキ〇タマなんだがな。

あっ、いけネ、またもやレイシツ!

自粛ならぬ、自制が足りないせいか

最近、シモネタが多いわい。

 

コソコソせずに堂々と、アルコール補てんのため、

幾度お世話になったか数知れない「神谷バー」、

その2階の「レストラン カミヤ」へ。

エッ? エエ~ッ!

平日の15時だというのに先客は中年カップル1組のみ。

しかもソフトドリンクでランチを食べている。

 

100回以上は来ているハズだが、こんな「神谷」は初めてだ。

100を超える席数はヒマな時でも半分は埋まっていた。

浅草のランドマークにこんな日が訪れようとは―。

さみしさのつれづれに

神谷名代の電氣ブランオールドを飲んでいた。

電氣のお替わりと同時に新メニューのワンプレートおつまみを―。

 

海老名マカロニグラタン・ジャーマンポテト・サラミ・

ガーリックソーセージ・鶏の唐揚げ・かにコロッケ・

生ハムサラダ・にんじんマリネ

 

といった内容で1400円はオススメだ。

1522分、カップル去ってとうとう一人きりの貸切り状態。

こんなことはもう生涯ないだろう、いや、あってはならない。

すると今度は井上陽水の歌声が・・・。

 

♪   楽しいことなら 何でもやりたい

  笑える場所なら 何処へでも行く

  悲しい人には 会いたくもない

  涙の言葉で 濡れたくはない

  青空、あの日の 青空、ひとりきり ♪

 

陽水の隠れた名曲「青空、ひとりきり」は

197511月のリリース。

1528分、単身のオジさん現る、あらわる。

小ジョッキ、デンキブラン(並)、海老グラタンを発注した。

 

飛行機事故が集中する離陸後8分プラス着陸前3分を

航空業界はクリティカル(危機的)11ミニッツと呼ぶが

J.C.にとってこの日の「神谷」は

インクレディブル(信じがたい)6ミニッツ。

広いホールにひとりきりの6分間。

生涯、このひとときを忘れることはないでしょう。

 

レストラン カミヤ

 東京都台東区浅草1-1-1 2F

 03-3841-5400