2021年1月7日木曜日

第2563話 逝く年 逝く人 (その3)

作詞家・なかにし礼から受けた、

ディープインパクト第3弾は1975年の夏の終り。

ロンドンから帰国直後、職探しの日々だった。

 

ある日、東武東上線・成増駅前のパチンコ屋で

朝からのんきに玉を弾いて昼過ぎにはランチ。

食事中の札を掲げ、向かいのモスバーガー1号店へ。

 

ハンバーガーに分厚いトマトスライスは珍しいな・・・

なんて思いながら完食し、パチンコ台に戻った。

このとき、たぶん有線だろう、

店内に流れていたのが「石狩挽歌」。

 

♪ あれからニシンは どこへ行ったやら

  破れた網は 問い刺し網か

  今じゃ浜辺で オンボロロー

  オンボロボーロロー  ♪

 

なんだって流行歌にニシンが出て来るんだヨ。

衝撃的だったが、よくよく考えりゃ

この詩が礼サンのマイベストでありやした。

 

月日は流れ、ニューヨーク在住時代の1990年代前半。

TBSラジオの「土曜ニュースプラザ」を通じて

交流の始まった草柳文恵サンが

なかにし礼作品集をカセットにダビングして送ってくれ、

クルマの運転中によく聴いた。

おかげで、なかにし節が耳にこびりついたのだった。

 

4000曲にも上る膨大な作品群からベスト20を択び、

Top10&Second10の20曲にまとめました。

 

Top 10

石狩挽歌・・・北原ミレイ

風の盆(作曲も)・・・菅原洋一

手紙・・・由紀さおり

恋のオフェリア・・・ザ・ピーナッツ

サバの女王・・・グラシェラ・スサーナ

涙と雨にぬれて(作曲も)・・・

和田弘とマヒナスターズ&田代美代子

京のにわか雨・・・小柳ルミ子

喧嘩のあとでくちづけを・・・いしだあゆみ

別れの朝・・・ペドロ&カプリシャス

さよならは昼下がり・・・石原裕次郎&真梨邑ケイ

 

Second 10

乙女の祈り・・・黛ジュン  

風の盆恋歌・・・石川さゆり

暗い港のブルース・・・ザ・キング・トーンズ

よこはま物語・・・石原裕次郎

中途半端はやめて・・・奥村チヨ  

時には娼婦のように(作曲も)・・・黒沢年男/なかにし礼 

まわり道・・・琴風豪規 

今日でお別れ・・・菅原洋一 

エメラルドの伝説・・・ザ・テンプターズ  

五月のバラ・・・尾崎紀世彦 

 

名作揃いにつき、J.C.は賛辞を惜しまない。

これこそまさしく“礼賛”ってヤツですネ。

お二人とも安らかに眠ってなどいないで

松が明けたら仲よく創作に励んでください。

 

=おしまい=