谷中のよみせ通りをプラプラしていたら
折よく台東区のコミュニティバス、
めぐりんが見えたので行く先も決めず乗り込んだ。
ついでに乗換券ももらっておく。
根津・池之端・上野と廻ったところで終点の浅草行きを決断。
浅草寺界隈を四半刻、徘徊したあと、
乗換券を使って山谷・吉原方面へ向かい、三ノ輪で下車。
神田明神下の岡っ引き、銭形平次の引き立て役、三の輪の万七親分の所轄地だから
時代劇ファンの耳になじんだ土地柄である。
商店街・ジョイフル三ノ輪を往ったり来たり。
気に染む店舗があれば、即断で昼めしの予定だ。
ないなァ・・・ふと思い浮かんだのが
未だ利用したことのない「再来軒」なる町中華。
以前、通りすがった際、粋な店名が印象に残った。
先刻、バスで来た明治通りを少々戻って暖簾をくぐる。
四人掛け２卓、カウンター５席の小体な店は
卓が埋まり、カウンターに先客が一人。
空いたスペースに滑り込んだ。
切盛りはご夫婦だろう、70代と思しき店主と女将。
ビールとラーメンのつもりでいたがビールは苦手な銘柄。
ラーメンだけにしとくか・・・いや、ちょいと待て、
他の客はみなサービスランチのセットを食べている。
Ａ―カレーライス ラーメン
Ｂ―味噌ラーメン 餃子 半ライス
各800円
思い出すのは故郷の空よ、じゃなかった、
御苑前の「そば処
更科」である。
年の瀬にラーメン＆ミニカレーを食べたばかりだ。
いま一度トライしてみようか・・・
でもなァ、ミニと謳っていないし、
フル＆フルで来られたら食べ切れないなァ。
思い迷いながらも
調理中のため、客席に背を向けている二人に
「Ａセット、ライス少な目でください」
「ハイ、ハイ！」―女将さんの声が返ってきた。
ラーメンは意外にコッテリだけど、シツッコくはない。
バラチャーシュー・シナチク・ナルト・ほうれん草が浮かび、
やや細めの麺にほどよいコシが残って満足の１杯だった。
カレーも適度にスパイシー。
コロコロのじゃが芋がにんじん・玉ねぎを差し置き、
その身の存在を主張していた。
さて、これより男の苦界・山谷、女の苦界・吉原、
双方まとめてパトロールにまいろう。
気合を入れて元気よく席を立ちました。
「再来軒」
東京都台東区三ノ輪1-25-1
03-3873-7570
