桜新町の「餃子荘
紅蜥蜴」にて
生ビールを飲みつつ餃子と春巻を待っている。
“餃子荘”を名乗るからには当店の名代は餃子。
900円均一の昼定食は、ニラレバ、回鍋肉、麻婆豆腐など。
焼・水を択べる餃子&半炒飯のセットも同値だ。
運ばれた3カンの焼餃子は小さめの春巻みたいな形状。
肉々しさが前面に出て好みのタイプではない。
一方の春巻は太くて長い葉巻みたいなカタチ。
こちらは蝦々しさが際立って好きだ。
オネバさんにラストオーダーを促され、中ジョッキのお替わり。
しばらくすると、背後から麺のすすり音が聞こえてきた。
後ろに客はいないはずだが、いつの間にか彼女が賄い中である。
食事の終了を待って言葉を交わす。
紅いトカゲは開業20年、スタッフは男性2人と彼女が日本人。
夜の接客係のみ、若い大陸女性の由。
子育てが済み、数年前からパートを始めたと言う。
言葉の端々に人柄の好さがにじみ出てくる。
昼の客は7割近くが担々麺を注文するとのこと。
生ビール2杯、焼餃子3個、春巻1本の会計は1940円也。
さて、町の散策である。
長距離は都立01に任せたが、そのぶん各町の探求を深めたい。
成城学園前、桜新町、都立大学、学芸大学を踏破する腹積もり。
玉川通りからサザエさん通りへ。
長谷川町子美術館は入口にオニイさんが
番兵のごとく立ちはだかっていた。
J.C.はハナから入館する気がないが
これでは訪れる客もためらうだろう。
代わりに裏手のサザエさん公園に立ち寄る。
草花が咲いているものの、敷地のほとんどは立ち入り禁止。
磯野家の人々の像を眺めて退出した。
1時間あまり歩き、再び都立01の乗客に―。
都内に名立たる狭隘(きょうあい)路線は
狭いだけでなく起伏にも富む。
深沢坂などかなり長くて急だし、
01が廃止になったあと、年配者の脚には酷だ。
都立大の町歩きを始める前に電話を1本。
晩酌は学芸大学の日本そば屋「やっ古」の予定で
その予約だが、あいにく本日は満席。
それでも学芸大で止まり木を探すつもりでいた。
1時間ほど都立大をブラブラし、学芸大に向かうも
たった一駅なのにちょいと厄介だ。
道の造りが歩行者を想定していないネ。
環七を超すために迂回を余儀なくされる。
幹線の目黒通りを真っ直ぐ行けばよかろうが
それでは面白くも何ともない。
そう言いながら目黒通りで環七を渡った。
すると、右手に何やら不気味な建物が現れた。
=づづく=
「餃子荘
紅蜥蜴」
東京都世田谷区新町2-4-15
03-3425-2233