夕べあれほど飲んだのに二日酔いとは無縁の朝。
ただノドだけはいつもより渇いていた。
毎朝飲むライムだけでなく河内晩柑もスクイーズして
2杯目のフレッシュジュース。
果物を食べる習慣のないJ.C.のビタミンCは
すべて生搾りの賜物である。
勘違いのせいでズッコけた日から1週経過。
三たび学芸大に挑んだ午後は渋谷で途中下車した。
嫌いな街だが道玄坂上の円山町・神泉町はさに非ず。
坂を上ってゆくと、いつの間にやら「ほていちゃん」が―。
開店前だったが店長らしきオニイさんに訊ねた。
何でも昨日の金曜にオープンしたばかりなんだと―。
「あとで寄るかも?」
「ぜひ、お待ちしてます」
北隣りの松濤ほどではないが
プチ住宅街となった神泉を久しぶりに歩く。
飲食店もそこそこ軒を連ねている。
旧山手通りから入った裏道でコーヒーショップに遭遇した。
ここ2年、目覚めたようにコーヒーを飲み始めたJ.C.、
此処は当たりだな、そう思って引き戸を引く。
「キャッシレス・オンリー」のプレートが目障りながら
Pay Payなんかなくとも、スイカは持ってるからネ。
ドリンクイン用のカウンターが5席。
テイクアウト待ち用のベンチが1脚。
コーヒーショップというよりコーヒースタンドだ。
基本的に深煎りのLAYLAと
普通煎りのPANAMA HARTMANN HONEYの二択でともに440円。
エスプレッソもあったが店の勧めるLAYLAにしたら
ずいぶんデッカいカップ、こりゃ飲みでがあるわ。
はたして・・・深煎りクンは期待ほどじゃなかった。
オマケにこの量では飲み切りに四苦八苦。
こんなことならエスプレッソにしときゃよかった。
センター街や公園通りとは異なる渋谷の奥座敷。
神泉町は人の往来も少なく別世界だ。
町内をくまなく散策したあと、隣接する円山町へ。
此処はかつての花街である。
おっと、三善英史の歌声が聴こえてきた。
♪ 母になれても 妻にはなれず
小さな僕を 抱きしめて
明日におびえる 細い腕
円山 花町 母さんの
涙がしみた 日陰町 ♪
(作詞:神坂薫)
1973年リリース、「円山・花町・母の町」の1番。
歌詞にある“小さな僕”は三善英史自身である。
=つづく=
「HEART’S LIGHT COFFEE」
東京都渋谷区神泉町13-13
03-6416-3138