「吉池」での買物を前に「味の笛」。
プラコップに注がれたドライをグイッ!
工場直送だから美味いなァ、ビールは鮮度が命なり。
つまみはポテトサラダ。
カオマンガイを小サイズに抑えておいてよかった。
2杯目はドライとアサヒ黒生のハーフ&ハーフ。
他店では味わえぬ至福のノド越しである。
そろそろ買物と思いつつも後ろ髪を引かれて日本酒。
ついでに鮭とばチップを―。
このとき、はるか昔の記憶がよみがえった。
あれは90年代の始めだったろうか―。
舞台はこれまたニューヨークだ。
ゴルフ&麻雀仲間に○○サンがいた。
今や某新聞社にて大飛躍を遂げられ、
イニシャルでも特定されてしまうため、
○○サンでいくしかない。
とある土曜日は1R回ったあと○○宅で麻雀の予定。
そんなケースはいつも気の置けない女性に
飲みものやつまみの世話をお願いしていた。
ホールアウト後、シャワーを浴びて出て来ると
フロントに呼び止められ、J.C.に電話だという。
○○宅に着いたM紀からだった。
次話にも再登場するH恵がチーママのクラブ「E」で
そこそこ人気を博していたコだ。
「オカザワさん、今ネ、お料理始めたら
キッチンに日本酒がなくって・・・
お部屋に一升瓶があるけど開いてないの、
使っちゃっていいものかしら?」
「ああいいヨ、構わんヨ、開けちゃいな」
ほどなく4人の男たちは雀卓を囲んでいた。
キッチンから肉じゃがのいい匂いが流れてくる。
クラブでランチを食べたのでつまみ類はまだ先だ。
トイレに立った○○サンがあわてふためいて戻った。
「オカちゃ~ん、勘弁してヨ」
「何、ナニ、どうしたの○○サン?」
「オカちゃんがいいって言ったから
M紀は酒開けたんだってサ」
冗談じゃないヨ、いやマイッたなァ」
その日本酒こそ今J.C.の前にある越乃寒梅でありました。
何でも大事な広告主に頼まれて
東京からの出張者が運び込んだばかりとのこと。
抜かれたものは元に戻らない。
結局、ポン・チーやりながらみんなで飲んじまった。
図らずも開けられた一升瓶は
その日のうちに空けられました。
「味の笛 御徒町店」
東京都台東区上野5-27-5
03-3837-5828