三善英史は1972年のデビュー曲、
「雨」がいきなり大ヒットして早くもスターの仲間入り。
「円山・花町・母の町」は3枚目のシングルだ。
1954年、彼は円山町の芸者の息子として生を受ける。
その経緯をプロモーションに利用されたこともあり、
好んでこの曲を歌わなくなったようだ。
大人の渋谷、円山町を一めぐりした。
15時を回り、道玄坂の「ほていちゃん」も開店したろう。
コーヒーの口直しとガソリン補給を兼ねて向かった。
すると、1階に席はなく2階へ促される。
何だか前夜の「魚三酒場」を思い出す。
開店20分足らずでこうだもの。
たった4人しか立てない立ち飲みコーナーに
4人目としてスタンダップし、サッポロ赤星を通した。
赤星はカウンター限定である。
つまみは、かにみそ(190円)と鯨ベーコン(360円)。
どえりゃあ、安いで!。
窓際の特等席はセンタービルの真向い。
「サンマルクカフェ」、「ロイヤルホスト」、
アイリッシュ・パブ「ザ・ダブリナーズ」が正面に構えている。
道玄坂を往き来する人の波を見下ろしながら
大瓶をトクトクトク、クイ~ッ! オー・ジーザス!
BGMは柏原芳恵の「春なのに」、いいじゃん、いいじゃん。
かにみそは混ざり物を感じるが、さほどあからさまではない。
くじベコは筋っぽく硬い部位もあり、良質とは言いがたい。
まっ、値段が値段だからネ。
それにしても渋谷の一等地で廉価な大衆酒場。
コロ助がまん延してるってのに強気だよねェ。
しかもイギリス型(N501Y)の変異株は
従来の中国型よりずっと厄介なんだぜ。
BGMが「涙くんさよなら」に替わった。
おりょ、珍しいな、本家本元の坂本九だヨ。
1965年の曲だが、まったくの鳴かず飛ばず。
数ヶ月後、ジョニー・ティロットソンのカバーで大爆発。
失意の九ちゃんが亡くなるのは、この20年後だ。
続いて「花嫁」「夢は夜ひらく」「夕べの秘密」
「ひまわり娘」「小さな日記」、昭和歌謡のオン・パレード。
千円札で会計するとオツリのコインが4枚来た。
何なんだ、この安さ、人を驚かすにもほどがある。
立ち飲みは10%オフだから実質無税と同じ。
近所にあったら散歩のたんびに油を売るネ。
さくらと一郎の「昭和枯れすすき」に送られて
いざ、学芸大へ。
「ほていちゃん
渋谷道玄坂店」
東京都渋谷区道玄坂2-9-10
03-6433-7520