池袋から東武東上線に乗って大山で降りた。
ここは板橋区のほとんど南端。
改札を出て西に向かえばアーケードのハッピーロード。
逆に線路の反対側、東に進むと遊座という名の商店街。
この町に来ると、自然に身体が西下してしまうが
この日、東上したのは東上線で来たからだ。
ハハ、いつも東上線だけどネ。
ターゲットは中華料理店「高社郷」。
わが故郷・長野市の北東に高社山という山がある。
当店の初代は長野出身というから
高社を郷とする人なのだろう。
一番搾りの中ジョッキをお願いすると、
中華風味付けのきゅうりがサービスのお通しで
焼肉店のオイキムチと同程度の量だ。
よって、つまみを注文する必要がなくなった。
ハナから麺類のつもり、タイトルロールの高社麺を―。
郷に入っては郷に従え、
「高社郷」に来ては高社麺に従え。
内容すら訊ねずに注文した。
着卓したのは一見ごくフツーのラーメンだった。
拍子抜けしながらもシンプル・イズ・ザ・ベスト。
うれしい気がしないでもない。
ほぼ真っ直ぐの細打ち麺は日本そばかと錯覚するくらい。
もも肉チャーシュー2枚、幅広のシナチク、
味付け玉子半個が色濃いスープに浮き沈みしている。
見た目ほどしょっぱくないスープに細麺が絡み、
そこそこ美味しくいただいた。
ランチのあとは恒例の散歩、そして適当な時間に早めの晩酌。
思い浮かぶ候補地は二か所。
山手通りと中央環状線の二段重ねを渡り、下板橋から北池袋。
あるいはストレートに南下してターミナル駅・池袋。
先刻、東上線に乗車したターミナルを目指した。
努めてゆっくり歩いて到着した北口に
これといった店見つからず、東口に回る。
まだ15時半、ダメ元で美久仁小路へ赴くと
昨年末に訪れた大衆酒場「ふくろ」が開いていた。
コロ助対策で年初から14時オープンに繰り上げた由。
この時間、小路で暖簾を出しているのは此処だけだ。
ドライの中ジョッキを通すと、お通しは若蕗の煮びたし。
つまみはこれでじゅうぶんながら、そうもいかない。
たら子のちょい焼きをお願いする。
これがいい塩梅の甘塩に粒の立った上物と来たもんだ。
自分で搾る天然生ゆずサワーを2杯飲り、明るいうちに退散。
帰りがけ、西武デパートで晩酌のアテを調達し、
ハシゴを避けて早めに帰宅の途。
独り飲みのお手本のような行動パターンが
すっかり身についた、今日この頃でありますな。
「高社郷」
東京都板橋区大山東町24-20
03-3961-8579
「大衆酒場 ふくろ 美久仁小路店」
東京都豊島区東池袋1-23-12
03-3985-5832