2021年4月1日木曜日

第2623話 一人花見は さくら・櫻・桜 (その2)

コンビニでビニール傘を買うほどではないにせよ、

しつこい雨はなかなか止まない。

これじゃ野外の花見はムリだな。

今夜は久々のサッカー日韓戦もあることだし、

明日また顔を洗って出直そう。

近所のスーパーで晩酌のつまみを調達し、帰宅した。

 

翌日は陽光うららか、好天に恵まれる。

月島駅から佃仲通り、佃大通りを抜けて佃小橋。

橋上に立ち、南側を臨んだときの美しい水景。

水と桜が織りなす景色に思わずため息をもらす。

 

佃公園を突っ切って隅田の河岸。

まさしく春のうららの隅田川が目の前に拡がる。

さいわいベンチが空いていた。

櫻正宗をパコッと開けてクイ~ッ、たまりませんな。

 

菊正よりやや甘口だが櫻正も好きな酒で

これを常備する店を思い浮かべると

鶯谷「鍵屋」、日本橋「吉野寿司」、浅草「米久」あたり。

 

今度は「むさしや」の桜餅をパクリ。

甘みアッサリのこしあん、薄紅色の薄皮を

オオシマザクラの葉が引き締める。

あんの甘さが櫻正を一気に辛口に仕立てた。

 

散る花びらがカップに舞い降りてくれないものか

風情を求めたものの、そうは問屋が卸さなかった。

代わりに隣りの外国人家族、タガログ語だから

フロム・フィリピンだろうが娘二人の小さいほう、

彼女の吹くシャボン玉が風にあおられ、J.C.の顔面を直撃。

べつに痛くもかゆくもないんだけどネ。

いたずらっぽくニコニコされたら

こちらも笑顔を返すしかない。

 

一人花見を小一時間で切り上げた。

今夜はサッカーU-24の対アルゼンチン戦がある。

相生橋たもとの「肉のたかさご」でつまみを調達。

牛たんメンチ、ハムカツ、豚バラ角煮、

和牛ローストビーフを購入した。

 

そのまま清澄通りの相生橋で晴海運河を渡る。

越中島から門前仲町、門仲に来たら立ち寄る、

酒場「ますらお」にはまだ早かろうが念のため、

行ってみたらば、やはりダメ。

ところが街のランドマーク「魚三酒場」が開いていた。

早じまいするため、開店を繰り上げているのだ。

 

ドライの大瓶、かじき中落ちを通す。

中落ちどころか刺身が7~8切れもあり、身質も上々。

肌の色が薄いから、これはめかじきだネ。

白鹿の枡酒を1杯いただき、滞空30分で切り上げた。

 

ささやかなシアワセが心を満たす春の一日。

これもみな、前日降ってくれた春雨のおかげです。

 

「藤田酒店」

東京都千代田区内神田2-10-2

 O3-3256-0831

 

「御菓子司 むさしや」

 東京都文京区千駄木3-42-9

 03-3822-1505

 

「肉のたかさご」

 東京都中央区佃2-21-6

 03-3531-4529

 

「魚三酒場 富岡店」

 東京都江東区富岡1-5-4

 03-3641-8071