2021年8月26日木曜日

第2728話 初めて渡った築地大橋

歩き始めて数分後、再び驟雨に見舞われた。

さっきよりヒドいゾ、マンションの玄関脇に逃げ込む。

これまた天気雨である。

子どもの頃、天気雨は非常に珍しく、

降った翌日は小学校の教室で話題になったほど。

陽が射したまま、雨はなかなか止まない。

 

雨宿り時はケータイをいじくってればいいんだが

テレともに電話して時間をつぶすのがベター。

テレワークならぬテレトークである。

そのための手駒を常に2~3枚確保しており、

親愛の意を込めて彼らを“雨宿り決死隊”と名付けた。

 

20分後、ようやく雨が上がった。

隅田川に架かる橋で一番好きな勝鬨橋を渡る。

月島・佃へはちょくちょく出向くが

その南側、勝どき1~6丁目にはまず来ない。

 

この日は清澄通りを南西に歩いた。

3年前に完成し、今では隅田川最下流の橋となった、

築地大橋を初めて渡るためだ。

東京五輪の出場選手を選手村から各会場に運ぶことを

重要な役目の一つとして造られた橋である。

 

橋の歩道の上流側が閉鎖されており、片肺歩行。

ここまで下ると隅田川は大河だなァ。

岸から岸まで泳げないかも・・・

(誰も泳がないって―)

 

ほかに歩行者はゼロ、ときどきチャリが行き交う。

ジリジリの陽射しもこたえたが

渡っていてつまらない退屈な橋だ。

それを慰めるのが左手に見えてくる浜離宮恩賜庭園。

脇を流れる築地川に10羽ほどの鵜が翼を休めていた。

カワウかウミウか判らんけど、たぶんカワウかな?

 

築地大橋を渡り切ったところが浜離宮の入口。

立派な石橋は大手門橋。

宮城(みやぎじゃないヨ、きゅうじょうだヨ)の

二重橋に似ているネ。

 

毎度のことでノドがヒドく渇いている。

ここまで来れば、

♪ 汽笛一声新橋を ♪  の新橋駅はもうすぐだ。

もっとも往時の新橋駅は今の汐留にあった。

ダメ元で潜った駅前ビルはやはりダメ。

線路の反対側のニュー新橋ビルに回る。

 

舞い降りたのは「居酒屋 凛」。

先月はこの地下の「えん家」と「ダイヤ菊」で飲んだ。

こうなると上野アメ横とニュー新橋ビルは

わが二大ガス・ステーションだよネ。

 

ドライの中瓶にお通しの冷奴。

店先の品書きにコレがあったので入店を決意した、

呼子のイカ一夜干しはやはり欠品だった。

コロ助下の飲み屋はこんなケースがしょっちゅう。

 

定食のアコウダイ(実際は安価な赤魚)粕漬を

単品で通し、中瓶をお替わりして

お勘定は金2400円也でした。

 

「居酒屋 凛 新橋店」

 東京都港区新橋2-16-1

 03-3519-5366