2021年8月16日月曜日

第2720話 追いかけて浅草

食べればシアワセな蟹炒飯に満足したあと、

身体が欲っしているのは例のモノである。

早いとこ生ビールで追いかけてやらにゃ。

さっき来た道を上野に戻れば酒場はいくらでもある。

いや、Uターンはイヤ。

ここは浅草へまっしぐら、かっぱ橋本通りを一直線に行った。

すると、吉幾三&桜田淳子が一緒に歌い始めるじゃないか―。

 

♪ 追いかけて 追いかけて

  追いかけて 雪国  ♪

 

♪ 追いかけてヨコハマ

  あのひとが逃げる  ♪

 

二人がごちゃ混ぜになっちまい、頭ン中は“吉淳子”状態。

 

国際通りを横断し、六区ブロードウェイを真っ直ぐに

結局はまたもや「ほていちゃん」。

近頃はわが心のふるさととなった酒場である。

どうにか立ち飲みスペースに身体を滑り込ませ、

黒ラベルの中ジョッキを一気飲み。

 

2杯目は当チェーンのウリなのに

今回初めてトライするレモンサワー。

酸味の強いシロップにパンチがあるネ。

マミツのハモ天ぷらが不出来、ちょいと匂う。

3ピースあったが1つ残してサヨナラ。

 

立て混んできたから長居をせず、界隈のパトロールへ。

ホッピーストリートは相変わらず全滅の惨事。

酒類を提供しない、もんじゃ屋が2軒だけ開いていた。

新仲見世から仲見世、馬道から雷門通り。

涼みがてら「まるごと北海道 浅草店」に立ち寄り、

美瑛産・ハスカップサワーを1缶購入した。

 

帰宅するにはまだ早く、山谷・吉原沿いを走る、

台東区の北めぐりんに乗り込む。

ノドの渇きを覚え、車内も空いてることだし、

持ち返ろうと思って買ったハスカップを開栓。

 

ちょいと甘いけれど、なかなか美味い。

缶から直接飲むビールは大嫌いなのに

酎ハイやサワーだと、あまり気にならない。

 

終点・台東病院の向かいに吉原神社あり。

関東大震災で数百名に及ぶ遊女がある者は溺死、

ある者は焼死、またある者は圧死した、

非業の弁財天が此処である。

 

申し訳程度に残された小さな池では

澄んだ水の中を錦鯉が泳いでいる。

緋鯉の赤が遊女の蹴出しを偲ばせて

哀れを誘うことしきりなり。

 

「ほていちゃん 浅草店」

 東京都台東区浅草2-15-2

 03-6802-7780