2021年8月4日水曜日

第2712話 オアシスもとめ さまよう新橋

京橋から新橋に向け、銀座の目抜き通りを一直線。

おや?「ライオン7丁目店」が営業中だ。

まさか? と思いつつも

案内係のオニイさんに訊ねると、やはりビールは駄目。

代わりにノンアルでランチはいかが? と来たもんだ。

それはムリでしょ。

 

銀座ナインのガードをくぐって新橋。

まず新橋駅前ビルにもぐると当ビルは全滅。

まだ14時で夜の事情は不明だが期待はできないな。

山手線の内側に移動し、新橋3・4丁目を徘徊。

2丁目に来て烏森神社界隈を物色した。

 

どうにか使えそうな店は3軒。

日本全国の郷土料理店、焼きとん酒場、うなぎ居酒屋は

いずれも帯に短し襷(たすき)に長し。

唯一、焼きとん屋のレベルが高そうだがシバリがあった。

飲みものは最低3杯飲め、焼きとんは最低3本食え、

飲めない客は来ないでくれ、おう、おう、言いたい放題だ。

 

むろん、3杯&3本なんか“晩めし前”だが

モノの言い様がちとシャクにさわる。

まっ、店側も多少の客の反発は百も承知。

言わば白鵬のかち上げみたいなもんだから

許す、赦す、J.C.はユルす。

 

そうしておいてこの街の切り札、

ニュー新橋ビルに入館した。

飲み屋は地下に集中しているが

その前に何年ぶりかで2階に上がったら・・・

 

うわっ、何じゃこりゃあ!

J.C.転じて「太陽にほえろ!」の松田優作となる。

いや、ブッタマゲやした。

何とそこに拡がる光景は

マッサージ、マッサージ、マッサージ。

その数、230軒に及ぶんじゃないのかっ!

 

いったい身体のどこを揉むのか知らんが

そんなに揉んでどうすんの?

此処に比べりゃ錦糸町のタイ古式なんざ可愛いモンだ。

 

気を取り直して地下に降り、明後日のオアシスを確保した。

その店はその店として

今現在のノドの渇きがほぼ限界に達しようとしている。

京ブランチのおかげでまだ満腹につき、

飲めればそれでじゅうぶんだが、

そうもいかないところが日本の飲み屋の大きな欠点。

 

“生ビール 何杯でも280円”

一筆にツラレて突入した「えん家」のビールは一番搾り。

ぜいたくなんか言えやしない、即発注。

マミツは中華の腸詰を

「値段一緒でかまわないから量半分でネ」

大陸系の接客係にささやいた。

 

お通しの山くらげには箸をつけず、

腸詰も3~4切れでギヴ・アップ。

小さめジョッキの生だけは3杯飲み、お代は1890円。

この国ではサクッと飲んでも

それなりの費用がかかります。

 

「えん家」

 東京都港区新橋2-16-1ニュー新橋ビルB1

 03-5860-9896