その翌日、行く場所を思いつかず、
困ったときの神頼みよろしく浅草へ。
ただし、本日は表の浅草ではなく観音裏だ。
言問通り北側の観音さまの裏手、
浅草３・４丁目辺りを地元ではそう呼ぶ。
池袋と浅草を結ぶ都営バスは
いつの間にやら千束通り入口の停留所を
奥浅草なんぞと小ジャレた名前に変えちまった。
若者がかっぽする奥シブじゃあるまいし、
此処は観音裏以外の何処でもありゃしないんだ。
開いてる店が少ないねェ。
一めぐりして、日本そば２軒、とんかつ１軒、
そして喫茶が２軒だけ。
片方の喫茶はほぼ飲みものオンリー。
よって13年ぶりに「ロッジ赤石」のドアを引いた。
ランチメニューは４種類。
Ａ―親子丼（日替わり） Ｂ―ピラフ
Ｃ―カレーライス Ｄ―ナポリタン
カレーとレモンティーのアイスの組合わせをお願い。
人気店だけあって退店・入店が繰り返される。
カレーは主婦の味をプロが手直しした感じ。
玉ねぎ・にんじん・じゃがいもの野菜御三家に
主役のポークはよく煮込まれたバラ肉。
具材が少ないのがちょいと気になったが美味しい。
言問通りを渡り返し、浅草寺の真裏に来た。
影向堂（ようごうどう）に向かうと水音が聞こえる。
ん？ 何だ？
エッ、こんなところにカスケード（小滝）がっ！
いや、ぜんぜん気づかなかったヨ、いつ出来たんだ？
ふと、傍らの草むらを見やると
“植木等に「おみくじ」を結ばないで下さい”の立て札。
いくらなんでも、植木等におみくじはクレージーやろ。
バカじゃないの？ と思いつつ、
よく見たら“樹木等”だったヨ、いや、紛らわしいな。
花やしき通りを抜け、結局は今日も「ほていちゃん」。
立ち飲みコーナーがいっぱいで初めての椅子席だ。
椅子に座ると勘定の10％offが消えてなくなる。
中ジョッキ＆うずらの味玉でいった。
即飲み干し、お次は梅じそ味のバイスサワーを―。
すると目の前のオネエさん、
あれェ、どっかで見た顔じゃないか―。
何と前日、新小岩で会ったスリランカのＭンディさんだ。
「おお、どうしたの？」
「あっ、昨日会ったんですよねェ」
「そだよぉ、掛け持ちで働いてんの？」
「いえ、いつも新小岩だけど今日はヘルプです」
サービスのつもりか、濃い焼酎のジョッキが運ばれ、
ナカのお替わりをせず、バイスの瓶が空いた。
「それじゃ、またネ」
「ハイ、新小岩でお待ちしてまっす」
ニッコリうなづいたものの、
そう簡単には新小岩へ行けないんだけど・・・。
まっ、いいか。
「ロッジ赤石」
東京都台東区浅草3-8-4
03-3875-1688
「ほていちゃん
浅草店」
東京都台東区浅草2-15-2
03-6802-7780
