2021年8月6日金曜日

第2714話 田端銀座のビーフシチュー 

始まったら始まったでスポーツ好きは

オリンピックを感染する、もとい、観戦する日々。

それもあと数日で終わるが

とにかく一日中、家にこもるのはよくない。

やはり散歩が必要、かといって炎天下に長距離は避けたい。

 

不忍通りを北に向い、動坂下を過ぎて北区・田端銀座へ。

半分近くの店舗が閉じており、寂れ感が漂っていた。

その中にレトロなパン屋、安くて旨い揚げ物屋、

自家製がウリのおでん種店が生き残っている。

 

何度か前を通ったから存在を認知していたが

未訪のままの「マーサーズ・キッチン」に入った。

地元では人気の洋食店だ。

 

当店の二枚看板はイタリアンハンバーグと

国産牛バラのビーフシチュー。

丹念に作られたデミグラスが決め手だという。

国産豚のポークカツレツとそのカツカレー、

SPF豚の特製とんかつも自慢らしい。

 

ふむ、バラ肉ならば

普段あまり食べないビーフシチューを

試めそうという気になった。

ソースをライスに絡めたくなるが、あえてパンを―。

飲みものはアイスコーヒーを食後に―。

 

シチューはポットではなくプレートで運ばれた。

バラ肉の上ににんじんのグラッセが2片。

キャベツ&レタス主体のサラダと

洋食屋の定番・ケチャスパが一緒盛りである。

シチューのガルニは温野菜が理想ながら

1100円の良心的価格では文句など言えない。

 

ほ~う、なるほどねェ。

看板メニューだけあってソースが味わい深い。

舌の上でほぐれるバラ肉の感触も素敵だ。

これは時間と手間ヒマかけてるなァ。

バターライスかショートパスタにかけて食べたい。

 

パンは微妙に異なるロールが2個きた。

添えてあるるのはバターではなくマーガリン。

1個づつ銀紙に包まれ、

小学校の給食でイヤというほど食べさせられたヤツ。

 

当時のものはエンゼルマークがついてたけど

アレはホントに不味かった。

昭和30年代のことだから

今はずいぶん改良されたんじゃないかな?

 

と思ったものの、何年ぶりかのマーガリンは

とても旨いとは言い難い。

それでもパンでソースをていねいに拭い、完食。

あと味はけして悪くありませんでした。

 

「マーサーズ・キッチン」

 東京都北区田端3-8-5

 03-3821-1865