余計な雑用でモタモタしてしまい、
仕掛けが大幅に遅れた。
目的地の江戸川区・平井に着いたのは14時。
日頃から心に決めているのは
14時までは遅い昼めし、
14時以降は早い晩酌である。
この日は「きんめ家」で金目鯛。
あるいは「焼きどころ
とんとん」で
あわよくばアブラボウズの腹積もり。
だけど両店とも昼の営業を終了していた。
こんな時間じゃランチ難民、
あいや、晩酌難民もいいところ。
狭い町をほぼ一周した。
唯一、飲めそうだったのが
スナックだか居酒屋だか判然としない1軒。
「かあちゃん酒場 みちのく」の入口には
「やってるよ!」の木札がぶら下がっていた。
ノー・アザー・チョイス、入るっきゃない。
土井たか子に背中を押され、足を踏み入れた。
右手に6席ほどのカウンター。
やや広めのフロアは四人掛けが6卓だったかな。
モロにスナックの居抜きである。
先客のオジさんがカウンターの一番手前で
ドライのレギュラー缶を飲んでいた。
オモテの品書きには生&瓶のビールが
明記されてたが缶ビールかや?
オジさんが客だかスタッフだか
これもまた判断しかねた。
「お店やってますか?」―訊ねると
「うん、でも今オネエさんがいない」―との返答。
え~っ、っと思ったものの、オジさんが
「おお~い!」―奥に声掛けしてくれて
「は~い!」―ぽっちゃりしたネエさん現る、現る。
生はないようでドライの中瓶を通した。
お通しはイカ塩辛とほうれん草ひたし。
本日のおすすめボードに
熊本産 霜降り馬刺し 800円
ホタテのバター焼き 600円
まぐろブツ 500円
レギュラーメニューは
イカ丸焼き・とり唐揚げ・豚キムチ・
ローストビーフ・煮込みハンバーグ
などなど。
鳥・豚・牛に馬まで揃い、
此処は意外と当たりかも知れないゾ。
期待しながら塩辛に箸を延ばした。
=つづく=