2022年3月28日月曜日

第2980話 角打ちうれしや 吾妻橋 (その1)

浅草に出たついでに

隅田の大川を吾妻橋で渡り、

黄金のオブジェを尻目に本所吾妻橋へ。

スカイツリーのふもとの「味吟」で

いなり&のり巻きを買おうと思い、

浅草通りを東に歩いていた。

 

都営浅草線・本所吾妻橋駅。

その入口付近で足が止まった。

いつの間にか「明治屋酒店」が

角打ちを始めてるじゃないか。

これはちっとも気づかなかった。

 

さっそく、おジャマしまッス。

一瞬、南州太郎の声が聞こえたような・・・。

と言っても判る人はほとんどおらんやろネ。

興味のある方はググッてつかあさい。

 

この時世だから店内のスペースは6名限定。

店先でも3名は立ち飲め、

横に回って自販機脇に2名席。

先客は誰も居なかった。

 

ドライの生大(500ml)がサービス価格の550円。

もちろんいただきますとも。

川のあっちの「神谷バー」に倣って

電氣ブランもいただきましょう。

 

30度? 40度にします?」―オバちゃんが問う。

「う~ん、40度で」―そう訊かれちゃ、こう応える。

「チェイサー要ります?」―親切なお伺いを

「ビールがチェイサー代わり」―オサレに受け止める。

 

電氣は30度が150円、40度は200円。

本家「神谷バー」よりずっと安く、さすが角打ち。

つまみにはシューマイを2個(220円)お願い。

 

壁の貼り紙。

“当店は角打ちのため、

トイレの貸出しはしておりません

スーと飲んでスーと帰るスタイル

ハハハ、なるほど、でも 近い”輩は困るだろうネ。

壁にレトロな大日本麦酒のポスター。

大日本はアサヒ&サッポロの前身である。

このポスターで初めて知ったが

大阪の吹田村で発足した当時、

アサヒは朝日じゃなくて旭だったんだ。

これには小林旭もびっくりぽん。

「くら寿司」ならばビッくらポン!

 

後客が2人現れ、奥の方へズレた。

すると今度は頭上にウニクムのポスター。

ウニクムは東欧・ハンガリーのリキュール。

ハンガリーかァ・・・懐かしいなァ。

ブダペストを流れるドナウ川のさざ波が

まぶたに浮かび上がった。

 

=つづく=