熱燗にマッチするとも思えぬ蟹サラダを追加。
J.C.的には「三州屋」の必食アイテムがコレ。
原価高騰で今は無き一丁目店(支店)では
品書きから消えた蟹だが
さすがに本店の矜持、変わらず載せている。
大皿にずわい蟹の脚肉6本。
トマト・きゅうり・レタス・パセリに
特徴的なのは大量の玉ねぎ。
いわゆるオニオンスライスより厚めの切り口だが
白玉ねぎにつき、口当たりは柔らかい。
ドレッシングはサウザンアイランド風。
蟹は生酢に生醤油を数滴垂らして食べるのが
J.C.風ながら、立て混む時間に余計な注文は
スタッフのリズムを崩す、努めて自重した。
カタチの良い正肉が6本も付いて
1300円はお値打ちというほかない。
左隣りのリーマンがすべて食べ終えた。
食欲に圧倒されたが彼はまだ終らなかった。
エビス大瓶をお替わりし、
金目鯛煮付け定食でごはん大盛りだとヨ。
先刻からチラチラ横顔を盗み見していたが
今度だけは露骨に直視する。
しかも定食の味噌汁を当店の名代、
とり豆腐に差し替えやがんの。
スゲえ! いや、ものスゲえ!
敵ながらあっぱれ、いや、敵じゃないけどネ。
左ほどではないにせよ、
右隣りのオバアちゃんもよく食べるわ。
大瓶&定食のあとにいわしの煮付けが運ばれた。
かなりのサイズが2尾付けである。
定食を食了したあとでごはんがないのに
いわしだけをムシャムシャムシャ。
このお歳の女性のビール大瓶に驚いたが
デザート代わりのいわしにゃ、もっと驚いた。
ひるがえっておのれの少食ぶりが何とも惨め。
打ちひしがれ、うつむき加減でありました。
会計は樋口一葉1枚にオツリがコインのみ。
宝町から都営浅草線に乗って浅草で下車。
暮れのエンコの人出は大したことがない。
みんなノガミのアメ横に行っちゃってる。
雷門の向かいのスーパーで
立派なわさびを1本調達。
今年は豊漁のおかげで
蟹の値段はずいぶん下がったけれど
わさびの高騰はとどまるところを知らない。
1本2500円じゃ、刺身より高いっての。
脇役が主役を食うとはこのことであります。
=おしまい=
「三州屋本店」
東京都中央区銀座2-3-4
03-3564-2758