2026年1月9日金曜日

第3968話 都内屈指の十割そば

浅草から上野を貫くかっぱ橋本通り。
この道筋における J.C.の御用達は
かに炒飯の「栄来軒」と
野菜パンの「シミズ」。
ともに大の気に入りである。

5年ほど前、東上野のミッションに
携わっていた頃、何度か利用した、
「松月庵」は昭和27年創業の老舗。
それが数年前に建て替わってから
何となく敷居が高くなり、
いつしか足が遠のいていた。

建て替え後、師走に初めて訪れ、
桜海老と小柱の山椒オイル煮で
キリンラガー中瓶を飲み、
十割そばの半せいろを手繰ると
その美味しさに瞠目した。

早急にウラを返さなアカン。
思うことしきりであった。
浅草のそばとも・Mきに声を掛け、
とある日の昼に伴った。

ラガーを注ぎ合い、
謹賀新年のグラスを合わせる。
当店はサービスの突き出しが立派。
前回はほうれん草の胡麻和えで
今回は冬瓜の出汁煮。
豚肉・人参も1片入っていた。

二人で協議の末、
牡蠣オイル漬け、
くるみ&山椒の甘辛煮、
ぬか漬けをお願いした。

牡蠣がとても好い。
ヒタヒタのオイルにも
牡蠣の旨味がにじみ出ている。
くるみはこれでもかとドッサリ。
ぬか漬けは胡瓜・茄子・大根・
人参・白菜&胡瓜もみ。

3本目のラガーを通して
せいろを分け合う。
十割そばの歯応えが白眉。
歯を押し返す弾力が命なのだ。

この食感だけは
他店に無いもので
都内でも指折りの十割そばに
すっかりハマッてしまった。

そばつゆに牡蠣オイルを落とし、
和風油そばにしてみると
これまたクリーンヒット。
やみつきになること請け合いだ。

初めて食べるかけそばも分け合い、
またオイルを応用して大満足。
すっかり心を奪われたMきの瞳が
心なしかうるんでいた。

浅草へ仲良く歩く。
国際通りを渡り、
六区のロックスで手を振った。

「十割手打ちそば 三代目 松月庵」
 東京都松が谷2-28-9
 03-3841-4927