2026年1月20日火曜日

第3975話 名物はあなご丼なれど・・・

品川区・鮫洲の旧東海道沿いに
「鈴乃家」なる日本そば屋あり。
昭和27年創業は J.C.より一つ若い。
東京湾の穴子の天ぷらを
名代としてきているが
現在は何処の穴子だろうか?

一歩足を踏み入れた途端、
昭和そば屋の空気に身を包まれる。
近年、こんな雰囲気は
なかなか味わえるものではない。

接客はオヤジさん一人。
板場にはオバさん、
いや、オバアさんかな?
四人もの女性が立ち働いている。

板場の真ん前、
二人掛けの卓に腰を沈めた。
ドライ中瓶のお供は
よく冷えた固茹で枝豆だ。

あなご丼に行き掛かったが
そば屋でもあることだし、
十割そばと知って
あなごせいろに方向転換。

そばは十割のわりに
コシと弾力に乏しく、
ちょいとばかり不満が残った。

天ぷらは大型の穴子1尾と
野菜が茄子・南瓜・ピーマン。
穴子らしい深い熱の通しで
カリッと揚げ切られ、
江戸前風と云ってよい。

ヌルいそば湯は飲む気になれず、
中瓶も1本にとどめて
勘定は2350円也。
この空間に身を置けただけで
そこそこの満足感にひたれた。

少し歩こう。
浜川橋(涙橋)で
立会川を渡り、鈴ヶ森に来た。
丸橋忠也・平井権八・
八百屋お七らの命を断罪した、
江戸初期からの刑場である。

平和島を左手に
美原(三原)通りを抜ける。
J.C.は小学1年から5年の春まで
この界隈に棲んでいた。

平和島駅で京浜急行に乗った。
行く先は羽田空港の手前、
天空橋である。

「さめず 鈴乃家」
 東京都品川区東大井1-24-13
 03-3474-7998