偶然とは重なるもので先日は、ふなよそおいと艦艇装備。
今度はめったに注文しないビールの小瓶を二日連続2本づつ。
前日は千代田区・水道橋の中華そは屋で長居は無用と
気を遣ったものの、やはり収まりがつかずにもう1本。
この日は練馬区・江古田の洋食店だった。
大衆酒場「和田屋」も「お志ど里」も閉業した江古田にもはや
用はないと長く放置したので久々に様子を見に行った。
昼間では実感がわかないが、あの2軒が店をたたんだとあれば、
夜の寂しさもひとしおだろう。
ひとしきりさまよい歩いて昼めし。
別段、食事処のアテとてなく、
出たとこ勝負で駅南側を新江古田まで流す。
収穫は得られず、きびすを返して今度は駅北側を新桜台へ。
遭遇したのが「キッチン・オバサン」。
ヘンテコな店名の洋食屋はロンドンのフラット、
ニューヨークのアパートメントにありがちな、
ビルの半地下にあった。
ビールは中瓶が苦手な銘柄だったが小瓶は好み。
これが小瓶2本の理由である。
選択肢は限られるものの、単品のつまみもあった。
うれしいことにミニサイズの料理がいくつか。
吟味の末、ミニチキンドリアと
かきフライ1個、いわしフライ1枚を通した。
あらためて店内を俯瞰する。
ハハ~ッ、なるほど、なるほど、
キッチンのシェフがオバさん、アシスタントはオネバさん、
フロアがオネエさん、女性トリオだけで男っ気まったくナシ。
サービスのオネエさんがやさしい。
言葉遣いていねいにして物腰も柔らか。
まさに理想的な接客でウエイトレスはかくあられたし。
もちろんドリアを食べたことはあるが
あくまでもシェアで自分からオーダーするのは初めて。
つけ麺、油そば同様に生涯無縁と決めつけていたドリア。
ミニサイズがあってくれたからこその注文だ。
グラタンの下にはチキンライスが潜んでいた。
粗いパン粉のフライも水準をクリア。
タルタルソースは添えられているが繊切りキャベツがないので
セット用サラダ(60円)というのを代わりに―。
キャベツ・きゅうり・大根に和風ドレッシングがかかっていた。
ランチタイムは14時で終了。
2本目を飲み干したときは5分過ぎていた。
恐縮しながらの会計は1970円也。
三つの笑顔に送られて店を出る。
完熟・半熟・未熟の玉子ならぬ、
女子(おなご)トリオは揃いも揃って愛想よしなのでした。
ごちそうさま。
「キッチン・オバサン」
東京都練馬区栄町17-3 B1
03-5999-8432