優良天ぷら店をあとにしたJ.C.は読者の読み通り、
甘い水に導かれて呑み助のパラダイスに向かった。
善徳寺前の交差点を渡ると北側に桐ヶ丘中央商店街あり。
此処はストリートではなくスクエア。
四方を建物に囲まれ、パティオの様相を呈している。
外側にも商店が並ぶがメインは内側、合わせて50軒に達する。
大方の店舗がシャッターを閉ざしており、
開いていたのは、カフェレストラン、サロンを名乗る食堂、
精米店、台湾惣菜屋、そしてコインランドリーのみ。
ほとんどゴーストタウンと化していた。
23 区内にかような一画が残存するのは驚きだが
懐旧の思い揺さぶることはなはだしくJ.C.は大好き。
マンモス団地・都営桐ヶ丘アパートの南西端に位置し、
かつては繁華を誇ったものと推察された。
昼飲みのメッカ、赤羽に到着。
読者には目タコ・耳タコでしょうが
大盛りの天ぷらをやっつけておきながら飲みものは別腹。
この街随一の酒場「まるます家」に直行した。
以前は順番待ちの客が店先にあふれていた。
今はまったく問題ナシ、すんなりと席に着く。
モヒート酎ハイが人気で、そのメガに初挑戦。
運ばれたのは氷入りジョッキとライム&ミントの小皿、
そして炭酸のでっかいペットボトルだ。
焼酎はいつ来るのかな? 1分待ってこりゃおかしいゾ。
何とボトルは炭酸に非ず、焼酎を含んでこれ自体が酎ハイ。
こんなのアリかい? ウチで飲むのと一緒やんけ。
ライム&ミントをジョッキに投じ、マドラーでつぶす。
ペットのキャップを外してトクトクトク、一気に飲み干した。
本麒麟のタモリじゃないけど、ウマいネ!
すかさずもう1杯。
これはニッカの弘前工場が製造したハイリキ。
1983年発売のハイリキは日本最古の酎ハイブランドなんだと―。
当店のルールは客一人当たり3杯までで銚子は3本、メガは1本。
ペットボトルは1000 CC と飲みでがあるが、もう追加はできない。
それはさておき何かつまみを取らねば―。
壁の品書きを隅々まで吟味し、満タンのストマックに配慮し、
最少量と思われたホヤ塩辛をお願い。
「まるます家」の専門は川魚。
鯉・うなぎ・どぜう・なまずにすっぽんまで揃う。
鯉など、生刺し・あらい・鯉こく・うま煮のラインナップ。
うなぎに亀重というのがあり、呼び名の由来は存ぜぬが
最初は面食らい、すっぽんのお重かと思った。
いずれにしろ海の魚介の天ぷらをタップリ食べたあと。
ストマックに川魚やカメさんを収める余裕は残っていない。
1リットルのメガ酎ハイは余裕で完飲しましたけどネ。
「鯉とうなぎのまるます家 総本店」
東京都北区赤羽1-17-7
03-3901-1405