「つきじ宮川本廛」で遠来の友と
ビールを飲みながらうな丼を待っている。
テーブルに着いて40分経過。
ようやく整ったときにはビールが4本空いていた。
しかもイでじゅうぶんなわれわれが
分不相応なロに挑むのだから
くれぐれも途中の落馬に気をつけねばならない。
フタを開けると、どんぶりの手前にカミ(上半身)、
向こうにシモ(下半身)が横たわっている。
鮨屋のまぐろを
赤身→中とろ→大とろの順で食べ進むように
うなぎも脂の少ないシモから箸をつけるのが鉄則。
どんぶりを180度回転させ、シモを手前に引き寄せた。
うん、さすがですな。
蒲焼きもごはんも粉山椒までもすべてが大谷クラス。
128年の伝統はダテではない。
かようなうな丼を食べ残してはならじと
今度は胃ブクロが頑張った。
かつおだし出すぎの肝吸いはやや疑問。
どんぶりに付く新香は白菜漬と奈良漬でこれまた凡庸。
まっ、すべてをうな丼が打ち消してくれましたがネ。
周りを見渡すと、うな丼・うな重の比率は4:6だった。
一日中雨の予想がよい方向に外れてくれ、
築地・東銀座・西銀座をそぞろ歩く。
案内したのはサッポロビール直轄の
銀座ライオングループ旗艦店、
「ビヤホール
ライオン 7丁目店」。
以前、二人で何度か利用したが
相方は10年以上来てないから懐かしさひとしお。
かなりの繁盛ぶりだったが待たされることもなく、
中ジョッキをガチンと合わせた。
お互い満腹なのに、そこは呑ン兵衛の特性。
琥珀色の液体は別腹に淀みなく流れてゆく。
牛には四つあるけれど、
人間のストマックも2部屋構造なんだネ。
2杯目はともにハーフ&ハーフ。
当店は片割れがスタウトにつき、かなり重たい。
普段、御徒町「味の笛」で
ドライだけのH&Hを飲んでるから余計に重い。
GINZA SIX に立ち寄る相方と別れ、三越に潜った。
そこで見つけたのが京都は丹後の産、
赤アマダイ頭部の肩身(2170円)である。
目元さやけき横顔に、心奪われて迷わず購入した。
昼にうなぎを食っといて
夜またアマダイじゃバチが当たる。
軽くひと塩し、清酒を振りかけ、風干しにしてみた。
どうせ今宵は飲むだけでいい。
明日の晩酌が今から楽しみだ。
それにしてもこの日は散在しちまいやした。
しばらくはつましい暮らしを心がけまする。
「つきじ宮川本廛」
東京都中央区築地1-4-6
03-3541-1292
「ビヤホール
ライオン 7丁目店」
東京都中央区銀座7-9-20
03-3571-2590